ぽいっちょ
「」
放心状態の魔王。
「うーむ、どうしたものか…。触ってみるか、いやでもな、ゲヒヒ」
ゲスい顔になるよし。
「少しよろしいですかな?」
後ろから良い声が…。執事?
「あ、はい、なんでござんしょ?」
「ルーファウス様がお困りのようでしたので…、ワタクシ、執事のレグナント…と、申します」
この執事、強そうだ。
「それでは、こちらの方へ…」
どうやらおもてなしをしてくれるみたいだ。
「お、ありが、とおおおおおおっッッ!!」
通された部屋、一歩踏み出した瞬間の浮遊感、落ちてるぜー。
「それでは、ごきげんよう…」
上から響いて遠ざかる声に腹が立つ。
ボボボボボッ!
「どんくらーい、落ちんだろなー。手を広げるとわーすごい、風を受ける音ー」
かれこれ10分くらい暗闇から落ちてる。
「ん?明るくなってきたな、おろ…ろ」
空
下に広がる雲、上には星ですか。
「わーお、スカイダイビング(パラシュート無し)ですかー!」
とりあえず色んなポーズを決める。
仏像!土下座!荒ぶる鷹!雑魚寝!
「意味なし!!」
雲を抜けると緑が見える。大地と森。
そして街?
Q:このまま落ちるとどうなりますか?
A:街のど真ん中にクレーターができます。
「わーお、何か良いものはないかなー、ないかなー。発動!」
【スカイクローラー】
カチッカチッ!ブブブブブッ!!
目の前の光の中から変な音が聞こえます。
あ、来た。
デカい黒い蟻のような顎、ムカデみたいな身体でトンボみたいな羽。
「きょええええええええええ!!?怖いっす!まじ無理っす!」
虫があんまり好きでない貴義。
落下に合わせてストンとスカイクローラーに座る。
「あー、やばいね、これはやばいね。これ次召喚できへんね」
白目着地。
「これ混乱しか生まねえな」
【インビジブル】
「う、うーし!そのへんで降ろしてくれ!」
スカイクローラーに声をかけ降ろしてもらう。
「まあ、この辺からあの街へ向かえばだいじょぶやろ!お疲れさん」
スカイクローラーは光の中へ消えていった。
とりあえずテクテクぼちぼち行きますかね。
「ちっくしょー、あの執事覚えてろよ」