ゾンビゲームとは
ぴこーん、ぴこーん…。
「ここだな…」
ワイズマンによって標された場所。
「これ、明らかワームホールのような…えー、突っ込め?」
ワイズマンが急かす。
「はいはい、わかったわーったって!うーん…ホォイッ!!」
逃げた二匹を追って、森を抜けた先にあったモノ…。
空中に浮かぶ黒い穴。
貴義とワイズマンは飛び込んでいった…。
〜???〜
「ッッッ!チェイッサッサッ!」
掛け声の割にはスタッと着地する貴義。
ワイズマンも同じく。
あーん、夜っぽいような…瘴気的な?
「ワイズマンたのむで〜」
肩をポンポン叩いて言うとワイズマンは『余裕ーww』な感じでした。
〜魔王城〜
「魔王様…テンダー、ゾールの二名が戻りました…」
頭を下げる魔人
「連れてこい…」
豪華な椅子の上でつまらなそうに言う青い肌をした男。
連れて来られた二匹。
「ま、魔王様…、こ、この度はおよび頂き大変うれしくっ…」
『イレイザー』
「あっ!?か、身体が!?そ、そんな!魔王様っ!嫌だ!消えたくなっ…」
「報告するのは一人で良いだろう?」
魔王と呼ばれる男がつぶやく。
「………は、い…」
残った1匹は今にも死にそうな顔をしている。
「では、聞かせてもらおう…、勝手に魔物を引き連れて、何から逃げ出してここに来たのかを…」
1匹、ゾールは答えた。
ケレンとイーサを焚きつけて、魔物を引き連れてエルフの国を襲おうとした事、ケレンとイーサの反応が消え、探しに来たところ、変な人間に襲われた事。
そして、散々コケにされながら逃げた事を。
「ふーむ、そうか…そうか。それは大変だったな…お疲れ様、だ」
『インフェルノ』
「ぇっ?…あ、熱い!!熱いいぃぃいいいいい!!」
ゾールは炭となった。
「人間を襲って背を向け逃げるだと?ましてやケレン、イーサもやられて?」
魔族に、あるまじき
と、でも言いたそうな魔王。
「片付けておけ…」
そうして二匹は『退室』していった。
〜魔界〜
たぶん魔界、たぶん。
「ふんふんーん♪」
貴義は鼻歌で瘴気の中を進む。
ヴォー…
手がのびてくる。
「フゥオウワッツァドゥーイングッ!!?」
本気でビビる貴義。
ヴォー…
瘴気から腕が、腐りかけの顔や腕が現れた。
「ぞ、ぞんび!?あのゲームとかドラマで!?」
貴義、ビビってからのテンション上昇。
ヴォー! ぅあ~…。
ズリっ、ズリズリ…。
瘴気が少し薄れ、見えてきた。
数え切れないゾンビ。
!!?
「ヘイヘーイ!だれかドーナツとかコーヒー持ってきてくれないかなぁ!」
光る
「まずはこれで試し撃ち!」
パスッ、パスッ!
貴義の手にあるソーコムmk23から弾が放たれ、ゾンビが1匹倒れる。
「ワイズマンっ!!お前は下がってろ!俺が遊んでいるんだ…。部屋に戻れ」
ワイズマン、泣く泣く退場。
「飽きたら呼んでやるからな…」
ニヤニヤ笑ってそういうとワイズマンは足取り軽く部屋に戻っていった。
「ヒャッハー!!なーにでヤッちゃおうかなぁぁあ!!」
タララッ!タララッ!
いつの間にか持っているG36Cが火を吹く。
「もっとだー!もっとこい!ヘーイ!カバー!カバー!」
狂気乱舞する貴義の前にゾンビはおもちゃでしかないのだ。