魔王への道標
「ずびばぜん…、取り乱しましたわ…」
ケレン復帰。
「あ、な、撫でるのはやめないでください…」
ケレンを慰めため撫でたらとまんなくなった。
「ちょっとケレン!なに懐柔されてんの!?
イーサ、懐柔じゃない。ナデポだ。イーサもなでまくる。
「きゃっ!?ちょっ!……いいかも…」
墜ちたな。
「陛下…私モ撫デテクダサイ…」
ま、まさかの!?
ナデナデ、ナデナデ…。すす、すごくシュールだ…。パワードスーをな撫でるだと…。
「フォォオッ!」
おい、大丈夫なのかこのリーダー…。
こら、そこ!目を背くな!
視線を送ると反らすウルフ隊。
「ずるい!リーネも撫でて!」
ブルータス、お前もか。
ぐひゅるるるる!がぼぼ!ぎゅんぎゅーん!
3匹も寄ってきた。
ゼロス、お前は羨ましそうな顔をするな。
そして3機は組体操しない!
「と、とりあえず、二人はどこから来たんだ?」
「それは…」「ええと…」
答えにくいのか、もごもごする。
「まあいいや、どうする?帰る?」
どこから来たにせよ、どうでもいい。
「えっ…と、どうしよう…」「作戦は失敗だし…」
やはり怒られるらしい。
「なら、俺がついてくわ。魔王がどんなのか観たいし」
極楽観的。
「「えええええ!?」」
そんなに驚くのか。
その時、3機が2mほどの大きさになる。
「何事だ?」
クイックイッ。
引っ張られる。んん?外になんか来てる?
なんとなく3機の言ってる事がわかった。
「ちょっち言ってくるから待ってろー」
貴義は3機を連れて、ルームから出た。
「なあ、確かにこの辺なんだよな?二人が消えたのは…」
「間違いない、魔力の残香がする。ケレンとイーサはここで消えた」
赤黒い肌、赤い眼、漆黒の翼を生やした二人組が居た。
「ん?人間か?おい、貴様…」
1匹が声をかけてきた。この種族は挨拶が出来ないらしい。
「はい?」
答える。
「ほう、人間の癖に肝は据わっているようだな…。人間にしておくには勿体無い!」
「悦べ、ちょうど欠員が出ていたんだ…魔獣にしてやろう
2匹が襲ってきた!
ゴンッ!
後頭部に物凄い衝撃が走る!
2匹の。
「「グオオオオッ!?」」
悶絶する2匹。その後ろには2mの黒騎士、デッドエンドが佇む。
多分、大剣で叩いたんだろうな…。でも一発の音しかしなかったぞ?
「な、なんだこいつは!?」
「気配が全くしなかったぞ!!」
そりゃプラモデルだからか。
ヒュゥーウ、ズパッーン!!
「ッヘキル!?」
1匹がまた頭に何か当たる。
俺の後ろのアポカリプスくんが大きな銃を構えてたよ。
「な、なんだこれは!?」
うちのプラモデルがすいませーん。
公園で犬と飼い主があれのような気分。
そして、二発目を食らっていない1匹が身がまえる。
コンッ!
残りも悶絶。
ワイズマン…、男の子にそれをやっちゃいかんよ…。
ローブをバラし浮遊させ、その一枚を相手の股間に叩き当てる。
使い方違うんだよなぁ。
「「ウ、ウォオオオオ」」
そして漢泣きである。
「な、なんかすまんな」
罪悪感がめっさやばい。こらお前ら肩を震わせる!
3機はドSとみた。
「くっ、くそ!覚えてろよ!!」
そういって1匹がもう1匹の肩を支え、飛んでいく。良い友情だな、感動的だ。
手を降っておく。
去った後、ワイズマンがつっついてきた。
「ん?なんだ…、お…、こいつぁ便利だな!」
ワイズマンからタブレットぽいのを渡される。
ぴこーん、ぴこーん…
表示されていたのは、地図…、そして赤く点滅する点。
ワイズマンがグッと親指をたてた。
「よし、魔王に会いにいくか!!」
貴義はデッドエンドを大きくして乗りこんだ。