買収的な
「止まれっ!!」
ビィィイインッ
矢が足下に刺さる。手荒い歓迎ですねい。
ランド砦、門の上にドワーフ達が弓を構えている。さすが異世界、警戒心半端ねえっす。
「どういう用件でここへ来たダナ!」
真ん中のドワーフに聞かれる。
「んー…、嫁を探しに来た!」
ネタで答える。
「こっ、ここには人間の女は居ないダナ!」
「あ、嘘です」
ドワーフ達がすっころげる。おお良い反応。
「それよりー、入れてもらって良いですかー!腹減ったし眠い!」
欲求には勝てん。
「だ、だめダナ!お前危険ダナ!ゴーレム壊したダナ!」
必死。
「あっ、わかりましたー。失礼しますー」
物分りのいい貴義。ランダ砦を去る。
「ホッ…、良かったダナ…」
一人のドワーフ、ホッとする。また他のドワーフもホッとする。
「あ、すいません…、この先に村やなんか、あります?」
ヌッと現れた貴義。
「ベギラマッ!?」
素っ頓狂な声をあげたドワーフはひっくり返る。
「い、行ったんじゃなかったダナ!?」
「いやー、宛の無い旅なんで、でへへ」
困った顔。
「こ、この先にエルフの国があるダナ…、だけど人間のお前が行ったら取っ捕まってしまうダナ…」
なるほど、人間とはあまり仲良く無いのか…。まあいい。
「なるほど、ありがとうございます。これ、記念と言ってはなんですが…
適当に鉱物を渡す。
「こ、これはっ!?」
ミスリルやら、ヒヒイロカネとかチョイス。
「」
ドワーフ、失神!
「刺激が強すぎたか…」
「わ、解るダナ!これは伝説の…魔法耐性が高すぎるミスリルダナ!こっちは硬くて柔らかく、過去の英雄達の武器にも使われたヒヒイロカネダナ!」
流石ドワーフ、解ってます。
「それでは…失礼」
「ま、待ってくれダナ!こんなん貰って帰られちゃ、申し訳ないダナ!飯でも食べてくといいダナ!」「だなダナ!」「旨いのあるダナ!」
こうして快くランダ砦へ入っていく。
「まじかっ!飯!飯!」
腹を揺らしてスキップする、サマはあまりにも不格好。