旅立ち
皆様の感想やブクマでやる気が出てきます笑
「そこまでだ」
白金の騎士がこちらに剣を向け何か言ってくる。
「ワッツ?」
ワッツ?
「彼女が困っているだろう?」
さも当然、紳士が助けてあげますよオーラ全開のプラチナ騎士くん。
「えっ、あ、あのう…」
シエラも困惑する。
ここは乗るしか無い、面白いことにっ!
「クククッ、彼女は私のモノですよ?」
ねぇっとり、イヤラシイ表情で言う。
「そうですか、なら…少しおとなしくしてもらいますよっ!」
プラチナ騎士くんが剣を振るってきた。
きゃー恐いー(棒
「な、なぁ…」「ああ、ガノウス帝国の英雄、ジークハルト様だ」
「あのデブじゃ勝負にならないな!」
周囲の野次馬が解説してくれた。なるほど英雄か…。
「殺しはしませんよ…」
そう言って殺意の無い剣が肩付近を狙って迫ってくる。
ニヤリ、と嗤った貴義は足を一歩、踏み出す。
殺しはしないと言っていたが、やはりそれなりの速度の剣…。
戦闘態勢、少し屈んで…そうここだ。
ザシュッ
「なっ」
英雄は驚愕した。
ゴトン…
ジークハルトの剣が貴義の首へ吸い込まれ、肉、骨を切り…、落ちた。
「きゃ、きゃああああ!」「く、くびがっ!」
「だ、だれか布持ってこい!!」
周囲に血が飛び散り、混乱が生まれた。
「えっ、なんで…うそ」
目の前の光を失った瞳を持つ首は、昨日買ってもらい、奴隷には考えられない待遇であり
感謝しかなかった。しかし絡まれて、助けてくれた彼の不思議な力に拒絶を示してからの展開が速すぎて何もできなかった。
遺体は回収され、ジークハルトとシエラは聴取のため、帝国の中心
【メルセナーリオ城】へ連れて行かれた。
貴義が死んだ近くの建物の上
「うぉっほー、上手く行ったなー」
そう言って双眼鏡を覗く変態、いや…、貴義。
「カード、パペットマジックとインビジブル、そして身代わり君mk-2…、完璧や…」
トンッ
建物から跳び、帝国の外壁の上へ移動。
「しっかしのー、シエラはザンネンやったなー」
拒絶されちゃ離すしかないしのう…。
「ま、死んだから手配書消えるはずやし、楽な旅ができるな!」
もう一回跳び、ガノウスの外に足をつける。
ブロロロロロロ……!
アメリカ~ンなバイクであてなき旅を始める貴義であった。
ヒロインとはなんだったのか