ガノウス酒場
~ガノウス帝国、とある酒場~
「面白い手配書がまわってきたな…、おい!こいつ見つけて捕まえれば10万バルだってよォ!」
酒を片手に厳つい男が叫ぶ。そして周りの荒くれ共も目を通す。
「どっかの貴族のボンボンかぁ?まあこいつを捕まえれば当分遊んでくらせるな!!」
「ハハハッ!そうだな!まあ手配されてるからそう簡単には見つかんねえだろうがな!」
そんな所へ
ガチャ…
一人の男が来た
喧噪の中、カウンターへ座る男
「すんまへん、ミルク…あります?」
見かけない服装で顔…。
鍛えてはいない身体。
「な、なぁ…あれって…」「どっかで、どっかで見たことある顔だな…」
「お、おい静かにしろって…」
荒くれ共は手元にある紙を見直す。何度か紙とカウンターにいる男を見る。
「「「「ああああああああーーーーーっっ!!」」」
「ん?」
「タカヨシだあああああああああああ!!」「10万いたぞおおおお」
「捕まえろおおおおおお!!」
「え」
いきなりの出来事に対応しきれない貴義。
「クッ…、発動!スロウタイム!」
カードが光る。
瞬間、周囲の時間の流れが遅くなる。「俺は普通に動けるのな、よし逃げるぜ!」
効果が無くなったのか
ズシャッアアアアアア!!
店を後に聞こえる轟音。 そりゃあんだけの人数が一か所に突っ込めばそうなでよ…。
「しかし、何故だ…、顔と名前ばれとるがな!」
平穏(笑)を手に入れるため
ガノウス帝国に来たというのに早々と野望は崩れかけていた。
「うーむ、悪い意味で有名人だな…、元凶からつぶすか…」
悪い顔の貴義