飯
牢屋だ…
初体験!
人知れず、牢屋にテンションが上がっている貴義
「腹減ったな…飯でも食うか」
ルームから作っておいた飯を取り出す
「にしても、あの坊主がほんとに武器ぶっこわして、腕や足を折ったりしたのかよ」
「まわりの話を聞いてる限りじゃ、そうらしいな」
牢屋の守衛室でそう話す二人の衛兵
「まぁ、騒ぎの元凶みたいだし…ん?なぁ、なんか良い匂いしないか…?」
美味そうな匂いが漂う
「なんだ、おまえ腹減ってんのか!んん?確かに良い匂いがするな…」
二人の鼻には嗅いだことのない、しかし確実にお腹を減らす匂いがした
牢屋だというのに
お世辞にも美味い飯は来ないし出ない
じゃあどこからだ…
二人ななんとなく匂いのする方へ足を進めた
「な、なぁ…匂いがどんどん強くなってないか…」
「ああ、でも…この先はさっき捕まえた坊主がいる牢屋だぞ…」
二人の腹の虫は鳴り止まない
街のレストランでもこんなに良い匂いはしない
カチャ…カチャ、
何か金属?のような音がする
カチャ、
ズズッ…
何かを啜る音
カチャ…カチャ
衛兵がそこで見たものは
「お、おい何してるんだ、お前!」
衛兵が聞く
「えっ、飯食ってます」
牢屋内にある光景はあまりにも異常
捕まえた坊主が
綺麗な椅子に座り、綺麗なテーブル
その上には、綺麗に盛られた肉や、よく分からないが白い食べ物、スープがあった
おかわりまであるのか…
それを優雅に食べている
「そ、そこのおまえっ!!それはなんだ!」
混乱
「ムグッ!!」
貴義は胸を叩く
「ッハーー、え、だから飯…食べてる時は喋れないですよー」
そういってあっという間にテーブルの上にあった食べ物は貴義の胃へ消えてった
衛兵ものっそい形相で睨んできました
ガチャガチャ…!
衛兵が鍵を開ける
「こ、このクソガキ!!てめえ!」
何故かキレる衛兵
「ふぅー、食った食った!」
ぱんぱんと手を叩き
「ごちそうさま…と、じゃ!また、お仕事頑張って…発動!インビジブル!」
カードが光る
そう言って貴義は透明になり、衛兵が鍵を開けたドアから出ていった
「「き、きえたーー!?」」
そこに残った衛兵の叫びしか無い