遊びという名の故郷のはなし
遊んでないし 話してもないぞ!
猫のせいで 遊ぶことになった私
遊ぶといっても
することがなく話してるだけなんだけど猫の話は面白い
景色がきれいな場所とか他の猫の恥ずかしい話とか
近所の噂とか………
『ねぇ こきょう って何?』
「`こきょう?'」
えっ? こきょう?
『公園でおばさんたちが話してるのきいたんだ こきょう が恋しいとかどうとか』
あぁ そういう事か
「故郷は自分が生まれ育った場所だよ」
『へぇ~ ご主人の故郷は何処なの?』
「私の故郷は此所 この一人暮らしのアパート」
『生まれ育った場所でしょ?お母さんやお父さんは?』
「…………そういえば アンタの 故郷は?」
『知らないけど』
「いやさっき言ったじゃない 自分が生まれ育った場所だよ?普通覚えてるでしょ?」
『知らない』
「えっじゃあいったいどっから来たの?」
そういえば 宅配できた時 送り主も住所も書いてなかったな
『僕 こきょう ないの?』
あっ 声が弱弱しい
こういう時だけかわいいんだよなぁ
「よし じゃあアンタの故郷は私と一緒でこのアパートよ」
『わーい こきょうができた』
喜んじゃって単純でかわいいなぁ
そこら辺 破りまわって
『わーい わーい』[ばりばり ばりばり]
ん? 破りまわって?
「ちょっと!部屋のカーテン引っ掻くな!!」
カーテンがぼろぼろになりました… 夕日がまぶしいなぁ…
猫を喜ばすのは程々にしようと思った そんな1日