クーリングオフは計画的に
説明書はすぐに読むようにしましょう
―なんだかわからないまま
勝手に猫は家に住み
私とずっと仲良く暮らしましたとさ―
――完――
「勝手に終わらせるな!」
『せっかく早く終わる所だったのに』
「私はまだ納得してないし、第一あんたを猫だと思ってない!!」
『じゃあ何だと思ってるんだい?』
えーっと 見た目は猫だけどしゃべるし…えーっと うーっんと
「…化け猫とか?」
『結局は猫じゃないか』
はっ 本当だ!これではあいつが猫だと認めてしまっているようなものだ
自分の語彙力もしかして低すぎ…!?
『だからいってるじゃないか猫だって』
「そっかー って納得すると思うか!」
『ちっ』
えっ 舌打ちしなかったあいつ?いましたよね?聞こえたよね?
『してない、してない』
なんだ気のせいか してないってあいつ言ってるし…って
「心を読むな!!」
やっぱりこいつ猫じゃない!きっとどっかから送られたスパイ的な物で私を利用するつもりなんだ!!
『被害妄想すぎるよ』
あぁ どうしよう……いっそ送り返せたら……
「あっ」
『やっと妄想から帰ってきた』
「そうだ クーリングオフができる」
『かーりんぐおふ?』
「違う、クーリングオフ 説明書とかないのかな」
『それなら此処にあるよ』
「よし、これであんたとおさらばよ」
[ペラペラ]
おっ!あったあった どれどれ…
【一、クーリングオフについて】
本社の当商品は――――――によって
―――――なので
期間が――――――とする
よってクーリングオフを受け付けるのは猫と会話して三分以内とする
―――また――――
[ぱたん…]
・・・・・・・誰か説明ください。この会社は馬鹿なんですか?
「どこの会社にクーリングオフがカップラーメンできる時間なんて決めたんだ!いっそ出来ないって言われるほうが清々しいわ!!」
はぁはぁ 叫んだから疲れた
「あれ?そういえば肝心のあいつはどこに行っ…」
『に゛ゃぁお゛』
なんか今濁点がついた猫の鳴き声が風呂場から…
「ってなんで風呂に嵌まってんの!?」
『ちょっと暇だったし家の探索を・・・』
「勝手にするな!」
『どうだったの?ボーリングオフ』
「だからクーリングだと もういいや」
「大変納得できないけどあんたを返す方法もないし、化け猫を外に放置するのも危ないから飼っといてあげる」
『そうじゃあ』
『改めてお世話になります』
そして私と猫の奇妙な生活が幕をあけるのでした