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古事記と日本書紀の関係はどのようなものか?

「今、僕らの頭の中は?マークだらけだね。これを僕らは淺草のうまいが固いせんべいを食べるときのように、丁寧に優しく慎重にかみ割っていかねばならないのだ。そうでなければ歯が折れてしまう。・・・僕らは古事記と日本書記の関係を以前考えたね。その結果、古事記にまだ日本列島に文字がない時代、音声だけによる表現の残滓を見つけたのだ。そう、暴走族の名前は、たとえば、『矢血魔他疾風連合』の矢血魔他は本来、ヤチマタという地名であるのに漢字によって、独特のおどろおどろしい効果を上げているのだ。これは矢・血・魔・他のそれぞれの漢字のイメージを結合させる事によって暴力的なイメージが出来上がるからなのだね。この漢字の使い方は、古事記の表記に非常に良く似ていると言っていい。しかし、古事記における漢字の使いかたは、その音のみを用いることだ。ヤチマタは也地磨田でも弥知間蛇でも屋値真太でもなんでも良いのだ。このころは、漢字の持つイメージに縛られていないのだ。その点では矢血魔多という表記は、非常に現代的な物なのだね。古事記は、漢字を意味と切り離して音として用いているのだ。日本書紀は固有名詞についてはもはやこのような表記はしていないヤチマタは『八街』なのだ。最初は表記できない音声だけの言葉『ヤチマタ』と言うのがあって、漢字輸入時に屋値真田のように表記されたが、漢字を使い慣れるにしたがって『ヤチマタ』の地名が持つ意味『八街』を『ヤチマタ』と読むようになるのだ。・・・こうした、漢字の使い方が、古事記の成立の古さを表していると僕は思う。又、これとは別に、古事記の、荒々しいアンチモラルの、しかしロマンあふれる描写は、古い時代の独特な物だと感じられる。しかし、これは必ずしも、成立の古さを示しているものではないね。あくまでも、そう感じられると言うことだな。そのほかに『国産みの記』に書紀にはある越の国の地名が、古事記には見られないと言うことだね。古事記の記事には、越の国(福井・石川・富山・新潟・山形のまたがる地域)がみられないという事、国が生み出される順番が、古事記では畿内(奈良、京都周辺)は後の方だが、日本書紀では最初なんだ。・・・こうした事から読み解いて行くと、古事記の成立は、日本書紀をさかのぼることおそらく百年単位であるのではないかと言うことだね。

 古事記の記事は、内容から言えば、大和朝廷中心主義ではないから、おそらく成立に、大和朝廷の意志が加わっていないと僕は考えるね。つまりこういう事だね。大和王朝が出来上がった時には・・・これは僕に思うに継体天皇期(在位507年~531年か)のころだと思うのだが、古事記の原型は、出雲王朝がすでに作り上げていたのではと思える。そして、それに加うるに、僕が、以前に書いた「磐井の反乱伝説」に登場させた『筑紫・倭国』の神話が加わってはいないだろうか。この倭国は大和国とは別の王国という説は、認知されていない歴史観なんだがね・・・」

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