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古事記には韓地への侵攻記事がほとんどない!

「古事記には三韓への侵攻記事はきわめて少ない。極限すればないと言っても良いかもしれない。これには唖然とするくらいだ。古事記に見える侵攻記事は仲哀ちゅうあい天皇・・・この天皇の年代を書紀は即位西暦192年としているが、不詳とするのがふさわしいだろうね。・・・その皇后の神宮皇后の記事にわずかに韓地侵攻が見えるのみなんだな。この記事を古事記と書紀を比べながらちょっと読んでみようか。まずは古事記だね。


 帯中津日子たらしなかつひこの天皇、(仲哀ちゅうあい天皇)は穴門あなど(下関)の豊浦宮、または筑紫(福岡市)詞志比宮かしひのみやに座しまして、天下をお治めになった。(中略)

 その大后、息長帯日賣命おきながたらしひめのみこと神功じんぐう皇后)は神が憑かれたようになられた。天皇が筑紫の宮で熊曾くまその国を撃とうとする時、天皇は琴を弾き建内宿禰たけうちすくねは庭の祭場にいて神の言葉を乞うた。ここに神に憑かれた皇后は言葉を発せられた。「西の方に国がある。金銀をはじめとして目にまぶしい種々の珍しい宝の多くがその国にある。私は今その国を帰服させようと思う」

 これに天皇は答えて「高いところに登って西の方を見れば国土は見えない。ただ大海のみがある」と、言われた。そして嘘を言う神だと言って、琴を押しのけて弾かず、黙して座っておられた。

 これに神は大層怒って皇后の口から告げられた。「この天の下は西の国はもとよりすべて汝の治めるべき国ではない。汝は死の国へ向かうが良い」と。これを聞いて、建内宿禰は「恐ろしい!わが天皇おおきみ、続けて琴をお弾きなさってください」と言った。

 それで天皇はそろそろと琴を引き寄せしぶしぶと引きはじめました。ところがいくらも弾かないうちに琴の音は途絶えた。灯を掲げて見ると天皇はすでに息絶えていた。

 神の怒りの強さに恐れおののいて、天皇の亡骸を、殯宮もがりのみや(遺骸を一時的に安置する御殿)に横たえた。

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