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25話 女神との邂逅

 俺の名前は獅子王ガイ。勇気あるGGGの隊員……ではない。ただの元高校生で異世界に召喚された冒険者いや、一応は勇者らしい。

 命の危険が付きまとうファンタジー世界に召喚されてしまった俺は、どうやら死んでしまったらしい。

 だって、いくら鎧を着ているからって心臓をランスで一突きだぜ?

 モン●ンのランスみたいなでかさのランスで突かれたら鋼の鎧だってさすがに耐えられるもんじゃない。

 自分でも心臓のあたりを貫かれたのは理解したし、間違いなく自分の体が冷たくなっていく感覚も感じた。

 だけど、なのに、そうだっていうのに、なんで俺は生きているんだ?

 足はある。

 体だって半透明になっていない。

 もしかして、これが死後の世界ってやつか?

 それにしては、三途の川もきれいなお花畑も見当たらない。

 というか、何もない。


「そりゃそうよ。死んでないもん」


 誰だ?

 どこからともなく声が聞こえたけど、それらしい人影はない。

 やっぱり、なにも見当たらない。


「あ、先に自己紹介しとくわね。私、リンフィア。まぁ、神様なんて仕事をやってるの。スリーサイズは教えてもいいけど、体重はヒ・ミ・ツ♡」


 なんなんだろう。この声だけを聴いていると痛い人にしか思えないのは。


「ちょっとぉ! 誰が痛い人よ! あ、もしかして居たい人? そんなに私と一緒に居たいの?」


 たぶん馬鹿だ。


「馬鹿じゃないわよ!」


 というか、なんで俺は声を出してないのに、こいつは俺の考えてることがわかるんだろう。


「だから、私はこの世のものとは思えないほどに美しく、唯一無二にして最高の美の女神様なの。あなたみたいな、人間の考えることなんて、簡単にわかっちゃうのよ」


 インチキ霊媒師とか、インチキ超能力者みたいな言い分だな。

 と言うか、仮に神だとすればもともと「この世のもの」じゃないからこの世のものとは思えない美しさってのはおかしくないか?


「細かいこと言ってんじゃないの! それにインチキじゃないわよ! というか、インチキ神様ってなに!?」


 そんなの俺が知りたい。

 でも、無理になって否定するところが怪しいな。


「ちょっとぉ。そんなに私のこと疑ってるの?」


 信じられる要素がないからな。


「もう。仕方ないわね。あなたの名前は獅子王ガイ」


 そんなのはいくらでも調べようがある。


「そうね。あなたが生まれたのは地球の日本。生年月日は8月18日。あら、獅子座ね」


 ……調べられる。たぶん。


「初恋の相手は幼稚園の頃担任だったうつ――」


 わかったやめろ。

 お前が神だと認めよう。

 だから俺の黒歴史を含めた歴史を突き付けるのはやめてくださいお願いします。


「――あら、残念」


 それで、その神様が俺に何の用だ?

 ランスで心臓貫かれたし、死ぬと思うんだけど。


「でも、死んでないわ」


 なんで?


「なんでも」


 意味が分からん。


「わかんなくていいのよ。まぁ、あんたは主人公に選ばれたから」


 主人公?


「そう。主人公が何もかも知ってたら面白くないでしょ?」


 やっぱり、意味が分かんないんだけど。


「ふふ。いつか元の世界に戻るために戦い続ける勇者。そして訪れる愛する人たちとの別れ。おもしろいじゃない」


 まぁ、そういった物語がおもしろいってのには同感だけど、俺が主人公に選ばれる理由がわからない。


「そうね、だいたいは名前とか性格とかで選んでるんだけどね。あなたの場合、選んだ理由は――」


 名前だな。


「――正解」


 つまり、この世界に召喚された俺たち勇者は、お前の考える物語の主人公なわけだ。


「ちがうわよ」


 え?


「主人公はあなただけ。他の勇者たちは世界に呼ばれただけの人間。あなただけが特別なの」


 ぜんぜんうれしくないな。

 というか、あんたの娯楽のためだけに俺は呼ばれたってことだろ?


「それも違う」


 はぁ?


「私は、この世界に呼び出された人間の中から主人公を決めるだけ。それ以前もその先もすべては主人公次第」


 つまり、俺みたいな人間の人生を眺めて、物語として楽しむってことか?


「まぁ、だいたい正解ね」


 そいつの人生を眺めて楽しむってことは、手助けとかはしないわけだ。


「そ。まぁ、主人公だし、ちょっとだけ依怙贔屓はするけどね」


 依怙贔屓?


「ヒ・ミ・ツ。 まぁ、あとでギルドカードでも見ればわかるわよ」


 確認しておきたいんだけど、俺は何人目だ?


「?」


 主人公を選ぶ基準がすでにあって、あんたの口ぶりだと、俺以外を選んだことがあるようにも聞こえた。

 だったら、俺より前の主人公になった人間がいるんだろ?

 そいつは地球に帰れたのか?


「ふふ、なるほどね。だけど、ヒ・ミ・ツ。さっきも言ったけど、主人公がいろいろ知ってると面白くないでしょ?」


 わかんないぜ?

 もしかしたら、帰れるって希望を持つことでより一層頑張るかもしれない。


「でも、ダメ。私は楽しみたいのよ」


 最低だな、神様ってやつは。


「知らなかったの?」


 俺の境遇を考えれば、最低ってのはもともとだったな。


「そゆこと」


 にしても、どう考えても心臓にランスが突き刺さったんだから、俺は死んだんだろ?

 それを今更主人公だからとか言われてもどうしようもない。

 どうする気だ?


「だから、言ったじゃない。死んでないって。今こうしてはなしてるのは、そうね……特別サービスってやつかしら?」


 なんで疑問形なんだよ。


「とりあえず、あなたは死んでないの。女神(わたし)が何かしたわけでもないけどね」


 心臓をランスで貫かれて死なないとか……

 俺は化け物になった覚えはないぞ。


「化け物じゃないわね。でも、かなりそれに近い何かよ。だってあなたは主人公だもの」


 化物ねぇ……

 俺なんかよりもよっぽどレスティアナさんとか三井さんの方が主人公(それ)っぽいと思うけど。

 まぁいい。

 とにかく、化け物に近い何かっていう俺だから主人公に選んだってことだな。


「えぇそうよ。だからこれからも精一杯生きて私達(・・)を楽しませてね。そろそろ時間ね。じゃあまたね」


 ちょっと待て、おい!









 俺は静かに目を開いた。

 目に入るのは倒れる前に見た、迷宮の天井。

 何も変わっていない景色。

 どういうことだ?

 俺はゆっくりと立ち上がると、自分の体がどうなっているのか確かめようと意識を巡らせる。

 地面を踏みつける感触も、握ったり開いたりする手の感覚もすべてが何一つ変わらず、俺が生きていると教えてくれた。

 鎧も、ランスで貫かれた部分に穴が開いているのに、俺の体には傷一つない。

 立ち上がった俺のことに気が付いたのか、スクルドも、レスティアナさんも爺も、驚いたような顔でこっちを見ている。

 というか、さっきよりもアイアンナイトの数が減っている気がするのはなんでだ?

 俺が倒れてからさらに戦いが続いたんだろうか?

 だとしたら、俺はどのくらい長い間倒れていたんだ?

 そもそも、なんで俺は生き返ったんだ?

 何もわからない。

 とりあえず状況を確かめようとあたりを見回してみると、アイアンナイトが12体、ジェネラルが1体に爺。

 あれだけいたアイアンナイトたちをスクルドとレスティアナさんはたったの2人でこれだけ倒したって言うのか。すごいな。

 ただ、無傷でこれだけのことが出来たわけじゃない。

 レスティアナさんは額から血を流しているし、スクルドだって見るからに弱ってきている。

 起きたんだし俺も手伝わなきゃな。

 って、武器がない。

 あぁ、そうか。そう言えば、スクルドを守るために剣は投げたんだっけ?

 俺が倒れた時と変わらずに地面に突き刺さっているバスタレイドのもとまで歩いていくと、俺はそれを無造作に引き抜いた。

 この状況だったら、速攻でジェネラル倒した方がいいのか?

 でも、ジェネラルの強さがわからない以上、長引いた場合にはレスティアナさんたちが危ない。

 12体ぐらいならそんなに時間もかからないで倒せるだろうし、先に倒すのはアイアンナイトだろうな。

 走りだし、剣の動きに合わせて……合わせて?

 剣は自ら動こうとしない。でも、アイアンナイトとの距離はほんのわずかな間になくなり、バスタレイドを振るった後には真っ二つになっていた。

 なんでだろう。

 剣は動こうとしないのになぜか体が勝手に動く。

 いや、俺の意志でアイアンナイトを倒せるだけの動きができる。

 残りの数も少なくなったアイアンナイトが3体同時に俺に襲い掛かってきても、動きが遅い。

 アイアンナイトが振るう剣も、こちらに突き出されてくるランスも、少し離れた距離から放たれた矢も、そのすべてが遅い。

 スローモーションとは言わないけれど、さっきまでやっと線でとらえていたアイアンナイトの攻撃の軌跡がはっきりと理解できる。

 俺は、ランスと剣の軌道を少しだけずらして同士討ちをさせると、眼前まで迫っていた矢を手でつかんだ。


「なんだろ、この気分」


 俺はさらに迫ってきたアイアンナイト2体を切り伏せて、レスティアナさんに歩み寄った。


「レスティアナさん、大丈夫?」

「え、えぇ……それよりも、なんであなたが生きてるんですか!?」


 珍しくレスティアナさんが取り乱している。

 言葉だけ聞けばいつもの毒舌みたいだけど、本当に心配してくれてたみたいだ。

 そりゃそうか、明らかに致命傷の傷を受けた人間が、何事もなかったのように動いてるんだから。


「いや、わかんない。むしろ俺が知りたいくらいだ」 


 倒れていた時の記憶はある。

 倒れる前の記憶じゃない。倒れた後の俺が起き上がるまでの間、その記憶はある。

 だけど、それがなんで俺が生きていると言う結果につながるのかがわからない。

 化物に近い何か。それが俺らしいけど、俺は生まれた時から普通の地球の人間だ。

 女神のこととかレスティアナさんに聞いてみたい気もするけど、とりあえず後にした方がいいだろう。


「キュイ!」


 スクルドが俺の肩に飛び乗って頬をすりよせてくる

 そうか、お前も心配してくれたんだな。

 まぁ、レスティアナさんですら心配してくれていたみたいだし、スクルドだったらなおさらか。


「ごめんな、スクルド。心配させちまって」

「キュイ!」


 さて、スクルドにも謝ったし、残りの7体とジェネラルを倒して迷宮の調査を始めよう。

 剣を構えて襲いくるアイアンナイトを両断し、ハルバードで突きかかってきたアイアンナイトは、ハルバードに横から蹴りを入れて距離を詰める。

 下から逆袈裟の形でアイアンナイトを切り伏せると、死角から迫ってきた剣の一撃を、腰から抜いたグルカナイフで受ける。

 俺の動きが一瞬固まった瞬間を狙って襲い掛かってきたアイアンナイトもいたのだが、俺の肩から跳躍したスクルドがそいつの体を貫いたおかげで、その場で崩れ落ちていた。

 即座にグルカナイフで剣を受け止めていたアイアンナイトの体にバスタレイドを突き刺し、矢を放とうとしていたやつには、グルカナイフを投げつけてやる。

 うまい具合に兜にナイフが突き刺さり、矢はあらぬ方向へと飛んでいく。

 残りは2体。と、思ったのだが、すでにレスティアナさんが倒し終えていた。

 さすがだ。


「その動きは、なんですか?」


 レスティアナさんが驚いたように俺を見ている。

 驚くのも無理はない。

 今の俺の動きは、さっきまでの剣に任せた動きではなく、それよりもさらに数段早く、それでいて正確に、敵を圧倒する動きをしていた。

 自分でも不思議なことこの上ないけど、いきなり武術の達人になってしまったような気分だ。

 今になって思うと、剣に任せていたあの動きは、ところどころに隙や無駄な動きがあった。

 もっとレベルが上がって強くなれば、今の動きだってダメなところは見つかるのかもしれないけれど、今の俺には十分すぎるほどに高度なレベルだ。

 急にレベルが上がった。

 なんでだ?

 これが、あいつの言ってた依怙贔屓なのか?

 あれだ。

 考えるのは後にしよう。

 とりあえず今やらなくちゃいけないことをやっておかないといけない。

 俺は、バスタレイドを握りなおすと、剣を引き抜いたジェネラルと正面から対峙した。

 一騎打ちてやつだな。

 スクルドも俺の肩から降りてこちらを見つめている。

 ここで負けたりしたらかっこ悪いよな。

 俺は、思わず苦笑しながらも駆け出した。

 ジェネラルの方もこちらへ走っている。

 ちょうど、最初に対峙していた場所の中央あたりで俺たちはお互いの剣をぶつけ合った。

 最初の心配は杞憂だったな。

 赤くて角付きだからって、なんでもかんでも3倍速くなるわけじゃないみたいだ。

 ただ、単純な戦闘能力はアイアンナイトよりもはるかに上だ。

 避けられないような速さじゃないけど、アイアンナイトの攻撃みたいにゆっくりとした動きには見えない。

 それにしても、こいつの動きとアイアンナイトの動きで速さが違いすぎないか?


「っち、くそ!」


 攻撃は回避できる。

 だけど、俺の攻撃だって相手には避けられている。

 攻撃が雑になってるのか?

 だけど、そんなに余裕があるわけでもない以上、ある程度雑になってしまうのも仕方ない。

 ジェネラルの攻撃は繊細さとかそんなものを感じられるようなものではないけど、鋭く、それでいて力強い。

 アイアンナイト5体を同時に相手取るより、こいつを相手にする方が圧倒的に面倒だ。

 これは、ジェネラルを先に狙ったりしないで正解だったみたいだな。

 ジェネラルとの戦いが始まって5分以上が経過したが、一向に勝負がつく気配はない。

 モンスターでも動物みたいなやつは体力とかの問題があるんだろうけど、こいつはどうなんだ?

 鎧型の生き物なのか、鎧に憑依した幽霊みたいなやつなのか。

 前者だったら、そろそろ動きが鈍くなってもいいと思うけど、後者だったら面倒だ。

 少なくともこっちの体力は有限である以上は早めにけりをつけないとやばい。

 もう5分くらいなら問題ないだろうけど、それ以上になるとこっちの動きが鈍くなりそうだ。

 ジェネラルの一撃をバスタレイドで受けながら考える。

 グルカナイフを持っていたら、防御に使えるからバスタレイドで攻撃って形にできたんだろうけど、生憎グルカナイフはさっきのアイアンナイトの頭に突き刺さったままだ。

 手甲は何度も防御に使っているせいでそろそろ壊れそうだし、あんまり当てにできない。

 というか、手甲で防御したら手甲を伝って別の場所を狙った突きを放ってくるから、あんまり防御には使いたくない。

 バスタレイドを横に薙ぎ払って、胴を狙うがジェネラルは一歩下がって攻撃を回避する。

 上段から剣を振り下ろしてくるけど、返す刀でそれを防ぐ。

 ……ちょっと、いい攻撃思いついたかも。

 俺は、バスタレイドの刃を左手で握り、渾身の力を込めてジェネラルを押し離す。

 後ろに押し下げられてたたらを踏むジェネラルの胴を狙って剣を振るう。

 さっきとほとんど変わらない一撃だ。

 案の定ジェネラルはスウェーバックのような形で俺の一撃を回避した。

 ここだ。

 俺は剣を止めそのまま体ごと前に突き出る。

 全力で振るった剣を途中で無理に止めたことで、腕が引きちぎれるような痛みがあったが、そんなことは無視する。

 俺が剣を止めたのはジェネラルの丁度目の前。

 このまま剣を突き出せば、答えは簡単だ。

 限界まで上体を逸らしていたジェネラルがまっすぐと伸びてくる剣を避けられるはずがない。

 これ以上無理に下がろうとすれば、バランスを崩して倒れるほかにない。

 そうなったらそれでよし、倒れた相手を押さえつけて剣を振り下ろせばいい。

 倒れないようにバランスを取っていれば……

 バスタレイドがジェネラルの胴体に突き刺さった。


「う、おぉりゃぁぁあ!」


 体をひねるようにして突き刺さった剣を横に押し込む。

 バスタレイドがジェネラルの横腹を引き裂いた。

 そして、俺の体は限界までひねられている。

 俺は瞬時にバスタレイドを両手で握り、ひねった反動を利用して大きくバスタレイドを振るう。

 周りから見てみれば、野球のバットを振るっているような形にも見えたと思う。

 俺の振るったバスタレイドは、見事なまでにジェネラルの頭部をとらえ、両断した。

 あれが野球ボールならホームランだろう。

 …………


「あ、これで終わりか」


 次の攻撃が来ると思って思わず構え直していた。

 ジェネラルの頭は上半分が地面に落ちている。

 この状態で反撃してくれば、ホラー以外の何物でもない。

 いや、そもそも中身のない鎧が勝手に動いている時点でホラーか。


「あ、あぁ……」


 ジェネラルの体が崩れ落ちるのを目にした爺は、この世の終わりのような顔をしてその場に膝をついた。

 爺が泣いている。

 号泣だ。

 ぶっちゃけ気持ち悪い。

 可愛い女の子とかだったら慰めてあげたり……できないな、たぶん俺じゃあおろおろして終わりだろう。

 そう言えば、爺の言う通りならこのジェネラルがこの迷宮のボスに当たるってことだろうけど、そいつは今、倒された。

 つまり、迷宮がクリアされた。

 と言うことは……迷宮がなくなる?

 やばいんじゃないのか?

 崩れ落ちるとかだったら中にいる俺たちだって潰れて死ぬだろ。

 逃げなきゃやばいかもしれない。

 と、思っていたのだが、その心配は不要だった。

 気づけば俺は草原に立っていて、あたりを見回すと迷宮の中にいた冒険者らしい人たちが不思議そうな顔をして立っている。

 スクルドやレスティアナさんだってすぐ近くにいた。

 よかった。

 迷宮をクリアしたら地上へ強制転送されるらしい。

 徐々に事態を把握できてきたらしい冒険者たちの反応は様々だった。

 嘆く者、喜ぶ者、いまだに不思議そうな顔をしている者。

 人数的には金稼ぎに有効な迷宮がなくなって嘆いている人が多いみたいだ。

 申し訳ない。

 ただ俺は、いつの間にか手に握られていた鍵と、いつの間にか目の前に現れていた宝箱のようなものを、前にして不思議な顔をしているほかなかった。


7月6日

女神との会話を一部加筆・修正

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