プロローグ
さて、まずは何から語るとしよう?
語るにしても言葉は陳腐で稚拙でどうしようもない戯言だがそれは勘弁してほしい。
そうだな、まずは自己紹介から。
俺の名前は獅子王 ガイ、勇気あるGGGの隊員……ではない。普通の高校生だった。ちなみに本名。
あぁ、当然のことだけどサイボーグでも超進化人類とかいうエヴォリュダーでもない。だから『イークィップ』なんてできるわけないからその辺聞いてがっかりしないでほしい。あぁ、でもこんにゃくは嫌いだし、紅生姜たっぷりの牛丼は大好物だ。
ちなみに、小学校のときに自分の名前の由来を調べましょうってやつで、知った自分の名前の由来には心底がっかりした。
なにせ、俺の名前を考えてる時に親父が偶然見たテレビアニメでやってた主人公が偶然同じ苗字だったから、まんま使ったって言われたんだ。いや、いくらなんでもそんなテキトーな……
もう少しドラマチックな理由が欲しかったよ。
さて、そろそろ本題に入ろう。お気づきだろうか?いや、聡明な読者諸君なら気づいているだろう。
俺の職業、普通の高校生だった。そう”だった”という点に注目してほしい。そう、過去形だ。
つまり俺は現在進行形で高校生じゃない。卒業したの?ってそんな馬鹿な質問はよしてほしい。
じゃあ、大学生だ!っていうのもなしだ。不登校のニート?ってのも違うからパス。少なくとも働いたら負けだなんて思ってないしな。
あんまり引っ張ってもしょうがない、そろそろ俺の職業をお教えしよう。
かつての俺は高校生。そして今の俺は、異世界に召喚されて勇者になっちった、テヘッ☆
いや、すまん。激しく自己嫌悪だ。