果たして雀は、ぐうだら青年を成長させられるか
チュンチュン吾輩は雀である
梅の大木に先祖代々住んでいる
梅は鈴木家の庭に位置する
目の前に2階の窓がある
チュンチュンまた、寝てる
寝てるのは鈴木メリット
大人になっても働こうとしない
寝てるか、ゲームか漫画だ
チュンチュン働かざる者食うべからず
ある日窓際に雷が落ちる
雀とメリットは異世界に転生してしまう
約束通り女神が現れてスキルを与えようとする
ところがメリットは眠いし働きたくないから、スキル要らないと言い寝てしまう
呆れた女神は雀と目が合う
雀は目が合ってしまった
女神はニコリと微笑み、雀にスキルを与えましょうと言い出す
完全ウェイバー方式だから、雀ならSランクスキルの鉄壁と一撃を与えましょう
こうして雀とメリットの異世界旅が始まるチュンチュン
チュンチュン周囲を見回すと見知らぬ森の中
空気が澄んでいて草花が生き生きとしている
でも吾輩にはどうでもいいこと
さっそくメリットを起こさなければ
「うーん……もう朝ご飯?」
メリットが眠そうに目を開ける
「ここどこ?梅の木は?」
チュンチュン異世界らしいぞ
メリットはしばらくキョロキョロした後
「疲れた〜お腹空いた〜」と言う
仕方なく吾輩は木の実を探しに行くことに
チュンチュンあ!
茂みから小さな魔獣が飛び出してきた!
黒くて牙があって明らかに危険そう!
魔獣はこちらに向かってくる!
「やだ!怖い!」
メリットが後ずさる中
吾輩の中に熱いものが湧き上がる
スキルが使えるかもしれない
チュンチュン鉄壁!
唱えると体が金色に光り
向かってきた魔獣の爪攻撃を弾き返す!
吾輩は無傷!
驚いた魔獣が間合いを取り直した時
チュンチュン今度は一撃!
爪を伸ばし思い切り突進すると
魔獣は一発で倒れ込んだ!
「すごい!雀ちゃん!」
メリットが飛び跳ねる
「これって……僕たち最強じゃね?」
チュンチュン調子に乗るなよ
その後、二人(一人と一羽)は森を抜け
遠くに見える町を目指すことになった
道中、メリットはずっと文句ばかり言っていた
「なんでこんな面倒なことに巻き込まれたんだよ〜」
チュンチュン自業自得だろう
適性ウェイバー方式だってのに
スキル欲しいと言わなかったのは君だぞ
メリットはふくれっ面で歩きながら
「でもさぁ、あの女神さんなんで雀ちゃんにだけスキルあげたのかなぁ」
チュンチュンそれは……
確かに気になるチュンチュン
遠くの町から鐘の音が聞こえてきた
新しい冒険の始まりの予感がする
チュンチュン働くのは嫌だけど
何かが変わる予感がするのだ




