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第五話

「お昼はありがとう、あんまり誰かと共闘するってことは無かったから新鮮だったよ」



 夜、仲良く焚き火の周りを四人で囲んで座って居るとメグが照れくさそうに言った。



「それにしてもアリサちゃん、凄いね。普通は戦闘と魔術のどっちも使えるようにする人って少ないんだけど」


「そうですか、ありがとうございます」


「ガード堅いなぁ」



 メグの褒める言葉にアリサは平坦に返した。それを見ていた僕の隣に座っているノエルが耳打ちしてきた。



「あの…アリサさんとメグザリーさんって仲が悪いんですか?」


「どうなんだろう…一方的に話しかけてくるメグにアリサがうんざりしてるようにしか…」



 うーん…と頭の中で今までのアリサとメグの会話を思い出しながらノエルの疑問に答える。



「あっ! そういえば、ルシオ君に聞きたいことがあったんだよね」


「僕に答えられることなら答えるよ」


「バーパイニーって炎の魔術師の家系として有名な、あのバーパイニー?」



 バーパイニーには確かに僕のファミリーネームだが、そのメグの言う炎の魔術師の家系のバーパイニーかは知らない。


 でもよく考えてみれば魔術師の家系というのなら家に大量の魔術についての本があったのにも説明が付くな…とルシオになって最初の家での記憶を思い出しながら考えるも真偽は不明だ。


 困ってしまったから、アリサの方へ顔を向けると小さくため息を吐いてから代わりに話し始めた。



「確かにルシオ様は貴方の言うバーパイニー家の方です」


「あーなるほど、どうりで綺麗な炎魔法を使うわけだ。教えてくれてありがと」




◇◆◇




「依頼たっせーい!」



 約二日掛けて依頼された魔獣30匹の討伐を達成させた僕たちは夕方に水の国の城下町に入った。


 水の国と言われるだけあって街の至る所に水路が有り移動手段の一つとして水路を船で渡っていた。



「俺は先に冒険者ギルドの方に報告に行くから先に宿屋に行っといてよ」



 「報酬は四等分で!」と去り際に言ってメグは走って行った。



「あれ? 帰って来てたんだ」



 翌朝、宿屋の一階で知らない男とローテーブルを挟んでソファに座るメグを見掛けて声を掛けるとメグは「おはよ〜」と返した。



「そちらの人は?」


「昨日の晩にギルドから帰る途中に会ったんだ」


「はい、初めましてレビンです。ローランドさんにお金次第で困り事を解決してくれると言われて…」



 はて、そんな話はいつメグとしただろうか。アリサともノエルとも話したことはなのだが……



「メグ、僕らは何でも屋のようなことするという話はしたことがあっただろうか?」


「してないよ〜。でもさ、よく考えてみなよ。冒険者ギルドの依頼で働いて稼げるお金なんてたかが知れてるんだから、ある程度は何でも屋のようなことでもして生活費くらいは稼がないと」



 旅の経験なんて一つもないせいでそれらしい理屈を並べ立てられると本当にそうな気がしてきた。



「何が“たかが知れてる”…ですか。今回の依頼報酬は10万G。四等分したとして一人2.5万G。旅をしていることを鑑みれば余程のことがない限り一週間程度は生活できるでしょう」



 ムッとした表情で降りてきたアリサはメグの言葉にそう返した。



「おはよう、アリサ。ノエルはどうしたんだ?」


「ノエルさんは昨日夜遅くまでこの近辺で見つけた植物について調べていたのでまだ寝ています。まだ起こさなくてもいいかと思ったのですが、起こしますか?」


「いや、いいよ。ありがとう」



 アリサの報告に礼を言うとメグが「話戻してもいいかな?」と言った。



「嗚呼、すまない」


「さっきアリサちゃんは2.5万G有れば人間一人一週間は保つって言ったよね。でも、ギルドでの報酬での生活なら保つのはせいぜい三日が限界だよ。それにただ生活するんじゃない旅をするんだ。いつ大怪我をするか、いつ大病を患うか、金はあって損はないよ」



 メグの顔は真剣そのものだった。数少ないギルドに入っている冒険者の意見だ。有り難く注意は受け取っておこう。



「確かにいざという時に金が有れば解決する話なら有った方が良いな」



 「でしょ〜」と自慢げに言うメグから視線をずらして僕はレビンに視線を向けた。

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