田舎者の挑戦
しかし多恵子には1つ悩みがあった。それは自分たちが田舎者だという点であり、果たして田舎者の自分たちが、レールに乗れるかといった問題があるのであった。その話しを園子に打ち明けると、そうだと言って納得するのであった。
「そうなのよね。自分も田舎者が成功する確率なんて無いと思うのよね。いくらアンテナを張れとか言っても、無理だからそんなの。だから自分たちもweb系から始めようと思うのだけれど、どうかしら?」
園子がバーチャルから始まる、ネットアイドルとか言うと、多恵子は悩むのであった。
「どうしたのよ一体。田舎者の私たちが生き残るにはバーチャルしかないって絶対」
「そうなのかねー」
今どきのアイドルはネットアイドルだと推す園子に対して、多恵子は昔ながらのアイドルに固執する所もあったが、園子に押し切られて、バーチャル活動をする誘いに乗るのである。田舎者にとっては、それしか選択肢が無いのか。
「そうよ、それじゃあ、今日撮影したライブは、ネット上に公開させるという案だけれど、多恵子も勿論OKよね? 勿論他の関係者の人たちにも了承はとったわ」
ウィクシーは勿論メディア関係者とは縁などなかった。初ライブだったので、周辺への告知はしていなかったので、友達とかにも知られてなかった。ライブ関係者は知っていたが、その事が知られるようになると、周辺へと情報がようやく伝わるようになるのであった。
とりあえず多恵子はショート動画をネットに上げるのには協力した。編集は自分たちで行ったが、反応が気になるところで、自分たちのチャンネルを公式に作るのに、熱心になりそうであったのである。そしたら、地元のエージェントに、知られることにはなったのであった。
だからと言って、トントン拍子に進んだわけではなかった。地元のエージェントには知られることになったものの、話しが急展開する訳ではなかったのである。園子や多恵子が考える田舎者でも挑戦は果たして可能なのであろうか。
「今日も私たちのライブに来て頂いてありがとうございます。参加者も急に増えたので、気合いを入れて頑張りたいと思います。それでは、皆さん応援ありがとうございます。それではご一緒にレッツゴー」
商店街の活性化の為に、イベントのライブを開いた2回目のウィクシーの出番であるが、急に参加者は増えていたようである。
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