表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

水に流せない話

*水子とは

➀生まれてから、日のたっていない子。あかご。

➁胎児。特に、流産したり堕胎した胎児。

【日本国語大辞典】より


赤ん坊の幽霊の話…って、たまに聞きますよね。昔嬰児殺しの因習があった集落の神社とかお墓で、肝試しをしていた若者達が所謂「水子霊」…っていうんですか?赤ん坊の霊に取り憑かれた、とか、妻が堕胎してから居もしないはずの子供に語りかけるようになったとか、そういうの。

僕自身、世に言う「チュウニ」の時期ってのがありまして、2ちゃんのオカルト板とかを覗いては、そういう怖い話をファーストフードみたく安価に消費したりしていました。

産まれてくるはずだった子供、生まれてきたけど直ぐに死んでしまった子供、そしてそうさせてまった事情…哀しさの背景に、社会の闇みたいなのが垣間見えて、そういう「胸クソ成分」を消費するんです。変態な趣味と思われるかもしれませんが、最近は意外とそう言う人達も、まあ直接会ったわけでは無いですけど、少なからず居ると思いますよ――、と、話が脱線しましたね。

まぁともかく、僕はそういう「子供の霊」に関する怪談には、ある程度の――まぁ勿論にわかですし、貴方のような専門家の前で偉そうに話すのは気が引けるんですが、出現パターンとかの「基礎知識」はある方だと思います。少なくとも、僕が感じてるそういう幽霊が現れるシチュエーションっていうのは、えっと、「水子供養」…でいいですかね、そういうのに纏わる場所だったり、堕胎が行われていた廃病院だったり、賽の河原的な霊場とか、小さな子供の死に関わっている場所が舞台で、そこに肝試しに来た若者とかが巻き込まれるみたいな、「自業自得」パターンが多かったです。だから、自分からそういう曰く付きの場所に足を踏み入れなければ大丈夫だと思っていました。

そもそも僕自身、本来霊感なんて無かったんですよ?幽霊なんて画面か文章かお化け屋敷の中でしか遭遇したことないし、それは偽物か、事実確認が取れない体験談ばっかりです。ですからーー初めて「あれ」を見た時は、それが「本物」だとは思えませんでした。てっきり誰かが僕を揶揄(からかっ)てるか――誰がそんなことすんだって話ですけど、驚きより困惑やウザさのほうが大きかったですね。――ええ、ある日を境に突然見えるようになる、って話自体は知ってます。実際そう人が居るって事も。でも、こういうのが見える、いや、()()()()()()()()()()()、って人は僕だけなんじゃないですかね?

――ええ、そうですよね。心霊(こういうの)関してはこの辺りで右に出る者はいないって評判の貴方が言うのなら、納得出来ます。対処法がまだよく分からないってことも。


でも、一応話だけは聞いて下さい。

正直、怖いって言うよりも、ウザったいんですよ。周りに相談できるような話でもないですし、特に男ですからその…そういうことです。出来ないんですよ、相談以外でも色んな事が。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ