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幻想奇譚

幻想喫茶と珈琲フロート

作者: 秋暁秋季

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳ございません。


あと書き、お気をつけて。

私は兼ねてより気になっていた喫茶店を訪れました。外観は古き良き日本家屋。時代を感じさせる木造建築に、味のある濃い紺色の暖簾。そして一見さんでも一目で分かるように、譜面台の上にメニューが置かれています。一人ソワソワとメニューを眺め、あるものを発見。そしてお邪魔する事に決めました。

中に入ると圧倒的な和洋折衷。硝子の中に、外国産の陶器人形や日本製の木目人形が、きちんと整列しています。素材も、御国も違う人形達。それでもその一つ一つが決して喧嘩していないのです。異なる文化のものが溶け合って、一つの幻想的な光景を生み出しています。

私はついつい、金曜日に放送されたとある映画を思い浮かべました。あの方はガラクタ塗れと仰っていましたけど、私は決して散らかってるのは思えないのです。寧ろ少々憧れを抱いてます。

……あまりぼんやりしていると、此方にお伺いした本当の意味を忘れてしまいます。私はメニューを開いた後、この空気を壊さないよう店主様にお声掛けを。そしてある文字を指さして、注文をさせていただきました。

「珈琲フロートをお一つ」

老紳士の店主様は鷹揚に笑って、店の奥に姿を消していきました。また此方にお越し戴く際まで、少しばかり空想に気持ちを飛ばそうと思います。


「お待たせ致しました。珈琲フロートです」

底がくるりと丸いパフェグラスに、茶色寄りの液体。そしてその頂上を飾るように、白いアイスがふよりと浮いていました。手元にあった柄の長いスプーンでそっと掻き回すと、球体がとろけて見えなくなります。もう子供とは言えない年齢なのに、内心はずっと浮かれっぱなしです。

先ずは一口。底に沈んだ甘みが舌を撫で、思わずほっこりします。シックな喫茶店で頂いたのと同じくらいの甘さ。思わず幸せな気持ちになります。次はストローを回しながら、もう一口。ほろりとした苦さと、その上から来る甘さ。あぁ、やはり珈琲なのだと再実感。

……これこそが珈琲フロート。私は人生最初に頂いた楽しみ方を、少々崩してしまったようです。珈琲の苦味を味わわずに、戴いてしまったこと。次回はもう少しほろ苦さを味わってから頂きたいと思います。


お会計を済ませ、外に出ると鈍色の混凝土が地面を覆っています。思わず現実に引き戻され、一つだけ溜息。余りにも居心地が良すぎて、此方の世界に帰るの拒む私がいた事は、内緒にしておきましょう。

珈琲フロートが好きになりました。夏限定……。


小説だからかなり綺麗な言葉で纏めてますけど、内心はしゃぎ倒してヤバい事になってました。


内心、

お安い!! 美味しい!! 雰囲気最高!! 店主様値段上げて!!

って叫びながら飲む珈琲フロートでした。


でもなかなか入りたくないのは、居心地良すぎて現実に戻りたくないからなんですよね……。

本当、雰囲気良すぎて……。素敵すぎて……。


※現実でご迷惑かける事になったら、即刻削除致します。

一応、空想と現実を交えて書かせて頂きました。

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