聖女召喚により婚約破棄されたので300日で魔王になってざまぁする
3作品目。前2作品にたくさんのPVと星をありがとうございます。
売れっ子さんから見れば些細な数ですが・・・
ガンチャンでCCAがやってたのでついそれっぽい雰囲気で書いてみた。後悔はしていない(笑)
今週はZの最終話だし
「魔王だ!魔王が出たぞおぉぉぉ!」
ここは聖女召喚が行われた聖国の大神殿。政教一致を掲げるこの国の中枢部だ。人の顔を見るなりこのセリフ。ただの魔王なんだから、そんな呂布みたいに言わないで欲しい。
「俺は、魔国によって召喚された異世界出身の魔王である。この国は長年にわたり異世界から不法に聖女を召喚し続けてきた。俺の婚約者もそれによって聖女召喚された一人だ。よって俺は貴様らに復讐することにした。」
「とんだ逆恨みだな。異世界召喚には本人の同意が必要になる。誘拐したわけではない。お前はただ女に捨てられただけの哀れな男に過ぎない。何を血迷ったか知らないがここに現れたのが運の尽きだ。構わん。撃て撃て。」
指揮官風の男の命令で次々と攻撃が繰り出される。
「ショックウェイブ!」
「ファイアショット!」
「極光斬!」
「ホーリーランス!」
・
・
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ドガッ!ドガガガガッ!チュドドドドーン!
「やったか?」
「馬鹿野郎!お前なんてセリフを・・・・」
モブ戦闘員が叫ぶと、爆発による煙が晴れると無傷の魔王が現れる。
「話を遮って攻撃とはひどいものだ。人の話はちゃんと聞くものだぞ。『デスショット』」
魔王から放たれた黒い弾が当たった数人がその場に倒れて事切れ、魔王の周辺が黒く輝いていた。
「攻撃してこなければやられなかったのに・・・しかし、これがレベルアップというものか。悪くない」
「増援だ。増援を呼べ!」
そして現れる聖騎士や上位聖職者、その中には元婚約者の聖女もいた。
「話を続けよう。貴様らの異世界召還は聖女の承諾を取っている。それはいい。だがその結果彼女らの増長を招き、聖女は逆ハーを築き国家は腐敗した。人の欲望は増大しそして聖女の力を背景に魔国に侵略を開始し魔族は魔王を召喚し、血で血を洗う戦争が繰り返されてきた。これが聖魔戦争の歴史である!!」
そうこうしている間に部下で後続の魔族がこの場に現れる。
「ここに至って俺は人類が今後、絶対に異世界召喚を繰り返さないようにすべきだと確信したのである!それが俺がここに乗り込んできた真の目的である!この作戦によって異世界召喚をする人々を粛清する!!」
魔王が人間たちを無視して魔族に語り掛ける。
「諸君!自らの道を拓くため、両世界の平和を手に入れるために!あと一息!
諸君らの力を俺に貸していただきたい!そして俺は・・・父、ジオもとい創造神の元に召されるであろう!!!」
なんちゃって演説が終わると聖女が前に来て言った。
「何勝手なこと言ってんのよ!あんたにはちゃんと『聖女になるために異世界に行きます。ごめんなさい、捜さないでください』ってメール送ったでしょ。元カノの幸せも祝えないとかしみったれた男ね。まだあたしに未練があるの?そんな粘着質だからあたしに振られるのよ。」
そのセリフを聞いて魔王はブチ切れた。
「ふざけるなよ。貴様に対してあるのは憎しみだけだ!この腐れアマ。結婚式の10日前にいきなりハイサヨナラで済むわけないだろ。結婚式の費用どころか新居を購入契約して手付金も払っていただろうが。しかもいきなりいなくなったから大事件に発展して誘拐容疑で六か月も逮捕勾留されたんだぞ。その間に職場はクビ。住宅ローンの内定も取り消しになって家の契約は違約扱い。無職になった挙句1000万円の借金を背負いうことになったんだぞ!」
「そんなの捜査した警察と検察が悪いんじゃない。あたし関係ないわ。」
ちなみに召喚されてから行方不明と思われたのが2日、翌日捜索届がだされ一週間後にはスピード逮捕である。そして180日間勾留され、釈放されるも世間からのバッシングもやまず、無罪になったことで払われた補償金や預金も差し押さえられ、一月後に住んでた賃貸住宅も家賃滞納でたたき出され、2か月間路上生活を行い生きる気力もなくなったところで魔国のサキュバスクィーンから召喚要請がきて真実を知ったのである。そこから異世界で訓練や知識の取得をして20日、聖女召喚から合計300日でここにいる。
「せめてお前の親にでも説明していけばあんなことにはならなかった!そして嫌疑不十分で釈放された俺に、お前の両親がなんて言ったと思う。」
「なっ何て言ったのよ?」
ちょっとビビッて聖女が聞き返す。
「『このままだと娘の保険金が下りないから、殺人の自供をしてください」だぞ。許せるわけがないだろう!なんなんだよ。お前の家は。一家そろって糞過ぎるだろうが!」
異世界の事情を知らない周囲もなんとなく事態を把握して気まずそうな顔をする。
「そして何より許せないのが・・・」
「許せないのが?」
「その前に俺は魔王として鑑定能力を持っているのだが・・・」
「だが?」
「お前俺には婚前交渉はなしよって言っておきながら、経験人数100人以上ってなんだよ!たった300日だぞ。しかもユニークユーザーで。100人切り達成って剣豪ならぬ性豪かよ。あと前世界の3人って何?なんで処女のふりしてたの?この腐れビッチが!」
ちなみに聖女のステータス。
【聖女】レベル20
職業:聖女(ステータス2倍、経験値取得2倍、対魔特効:攻撃力2倍)
追加職業:性女(経験人数:現世界112人、前世界3人)
特殊スキル:浄化(事後の処理もすっきり素早く)
精力吸収(性交渉した男から魔力と経験値吸収)
聖女の加護付与(性交渉した男の聖属性好きりレベル2上昇)
称号;異世界からの召還聖女・イケメン百人切り(一年生になる前にできた)
加護:転生神
魔王の剣幕に聖女が顔を蒼くして言う。
「ちょっと何暴露してるのよ。乙女のプライバシーを何だと思っているのよ!」
「いやお前とっくに乙女じゃないから。ただの性女だから。」
「仕方なかったのよ。聖女と交わると新たな力に目覚めるって言われて、それで・・・」
「それであちこちのイケメンをつまみ食いしていたというわけか・・・システム的に逆ハーが作りやすいのはわかったが、許せない」
そういって魔王が顔を上げると、聖女も開き直ったのか
「ふん!あんたみたいなフツメンよりイケメン選ぶのは当然でしょ。魔王と分かり合えるなんてこともないし、みんなやっちゃって。」
再度指揮官風の男が指示を出す。
「第二派発射」
「ショックウェイブ」
「トリプルファイアショット!」
「極光連斬!」
「ファイナルホーリーランス!」
「弾幕薄いよ!何やってんの!」
「ショックウェ」
「ショッウェ」
「ウェイウェーイ」・
・
・
ドガッ!ドガガガガッ!チュドドドドーン!
「いくら魔王といえどもこの至近距離からの上級スキルではひとたまりも・・・なに?」
「お前また・・・・・」
モブの声援もといフラグ建築により当然無傷で現れる魔王。
「許せないんだ!俺の命に代えても、身体に代えても、おまえだけは!!」
「なっなんで傷一つつかないの?」
聖女たちが驚愕する。なぜなら聖なる力は魔王に対抗するための物であり特に聖女には対魔特効攻撃力2倍などが職業スキルとして存在しているからだ。この世界に現れた時期を考えても魔王が高レベルのはずもない。
「俺はこの世界に魔王として転生するときに魔王としての力と、貴様を処罰するために対価を支払いもう一つの力を手に入れた。」
「対価?力?」
「そう、俺は生涯童貞であることを対価として、パッシブスキル・プロテクションフロムビッチ(ビッチ及びその関係者からスキルの対象にならず、ダメージを受けない。またスキル等の発生エリアの対象が存在する場合キャンセルされる)を手に入れたのだ。」
魔王がそういうと、聖女はあっけにとられた顔をしながら聞き返した。
「え?あんた一生童貞なの?それって生きてて楽しいの?」
「俺は復讐にすべてをささげたのだ。楽しいとかは関係ない。おれのステータスを鑑定してみろ」
【魔王】レベル5
職業:魔王(ステータス2倍、経験値取得2倍、ユニーク系職業への攻撃力2倍、
自分のレベルが半分以下の通常職の攻撃無効)
追加職業:魔法使い(前世享年31歳童貞・魔法による攻撃力2倍)
特殊スキル:プロテクションフロムビッチ(ビッチ及びその関係者からスキルおよび攻撃の対象にならず、ダメージを受けない。またスキル等の発生エリアの対象が存在する場合キャンセルされる)
魔王の呪い
称号;異世界からの転生魔王・終身名誉童貞・シングルプレイヤー(パーティーを作れず、組めず、開けない)
加護:嫉妬女神・転生神
「見ろ。この完璧なスキル構成を!貴様に対する攻撃は実質8倍だぞ」
「へ~あんた前世も童貞だったんだ。」
「注目するのはそこではない!」
「終身名誉童貞って(笑)」
「そこでもない!」
「シングルプレイヤー・・・あっオナ〇―はできるのね(笑)」
「魔王がパーティー組んでたらおかしいだろうが。それにやりサーの姫が言えたことか!」
「嫉妬女神の加護って?」
「俺にプロテクビッチをくれた女神だ。逆ハーなんて許せないと血の涙を流していた。」
「女神の癖に人間に嫉妬とか(笑)」
「ギリシャ神話の最高位女神とか見てみろ。一番やばいから!」
ちなみに天界は創造神(♂)が男なんて近くに置いておきたくないという感じで作ったので男女比1対100であり猛烈な男日照りである。そして地上の一般種族だけだなく力を持った天界の住人の想いを受け取っている嫉妬女神の力は絶大であった。
「情けない奴!」
「イケメンどもに利用されている者が言う事か!ええいもういい!俺にプロテクビッチがある限り貴様らの攻撃は一切効かぬのだ!観念するがよい」
そういって魔王が前に出るが聖女は動じない。
「まあ確かにあたしたちの攻撃はダメそうだけど、普通の人もたくさんいるのよ。レベル5の今のあんたなら・・・・」
「ふははは!わかっていないな。この糞ビッチ!スキルの説明書きをよく読め。『ビッチ及びその関係者』となっているだろう。関係者なのだから本人はもとより肉体関係のある者、召還者その肉親までかもしれない。そのことをどうか諸君らも思い出していただきたい。つまり・・・・私がその気になれば友人・知人まで含めるということも可能だろう・・・ということ・・・・!」
魔王がそういうと聖女は顔から余裕が消えて
「ちょっ卑怯よ!魔王のくせに中間管理職のようなことを言うなんて!」
「まあそういうことでそろそろ終わりにしよう。『ダークバインド!』」
聖国の人間が黒い魔力のひもで縛りあげられる。
「サキュバスクィーン!」
「御前に!」
「今回の褒美だ。好きなイケメンを連れて行くといい。残りは召喚の記憶を封じておけ。この国自体は属国とする。」
「かしこまりました。」
蝙蝠の羽の生えたエロ衣装の女性がすすみでる。
「おっお待ちください。私はこの国の聖王の娘。第一王女です。その者たちの中には婚約者がいる者もおり、力を得るために聖女と関係を持った者もおります。この期に及んでは魔王様に隷属するのもやむなしですが、国内の安定のためにもどうかお慈悲を賜ればと・・・」
「そうか。婚約者が可哀そうなら一緒に連れていき、異世界あるあるでオークの巣にでも突っ込んで『くっ殺』というものにし「あっ私が間違っておりました。ご自由にお連れ下さい。」
そういって笑顔でハンカチを振っている。ものすごい掌返しである。
「じゃあ最後に聖女の沙汰に行こうか」
「何をするつもりよ!」
聖女がおびえる。
「スキル『魔王の呪い(男アレルギー)』」
「え?かっ体の中がかゆい・・・なんで?」
「簡単に殺してもつまらないからな。男に触れると痒くなる呪いをかけた。これは人間の男だけじゃなくてモンスターとか全部だから気を付けろ。うっかり豚肉(雄)とか食べると大変だし、ゴブリンやオークの群れに襲われると発狂すると思うぞ。せいぜい気を付けろ。植物とか無精卵とかは大丈夫だから。そうじゃないと花粉で死ぬだろうし・・・。ではこれにて一件落着。」
そういって魔王は去っていった。
*
100年後魔王城にて聖女パーティーが魔王と対峙していた。
対峙していたといっても、パーティー側はすでにボロボロで全滅寸前である。
「この糞魔王!どうなっているのよ!」
「誰だ。お前は?そして何の話だ?」
「前世も聖女で異世界での元婚約者だった女よ!なんであんた生きているのよ!しかも転生して処女なのに攻撃が通らいし。あとあたしのアレルギー消えてないんだけど!」
「久しいな。糞性女!ああそんなことか。俺はもともと長命種だった上にレベルが上がったからな。世界中からチーレム勇者パーティーとか来たけど、だいたいそういう連中って一回はどこかのビッチとやってるかし、パーティーメンバーともだから、ビッチの関係者の関係者ほとんどこっちにダメージ来ないんだ。それでプチプチ潰してたらレベルが上がって寿命がなくなった。この世界の規定で力を持ちすぎた存在が地上を支配しすぎないように、レベルが500を超えたら300歳の誕生日に天界へ強制移動されるらしいから、呪いを解きたかったら早めにな。あとお前は『魂の性女』だから俺に攻撃は通らんぞ。そうそう俺の称号、寿命がなくなったと同時に『永遠の童貞』になったぞ」
「そんな称号はどうでもいいわ!えっ?そうするとあたし何回転生しても彼氏作れないの?ちょっと何とかしてよ!」
「俺が死ねば呪いは解けるけど無理じゃないかな?じゃあまた来世で頑張れ!ではプチっとな!」
こうして聖女パーティーは全滅した。
魔王が創造神の元に召されるまであと200年。魔王の呪いが解ける日がくるのか?それは誰にもわからない。多分無理だと思うけど・・・・
読んでいただきありがとうございます。
今週はちょっと仕事が忙しいのでこれ以上は厳しいかも。
週一くらいを目標にしたいです。