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オープニング 異大陸戦艦と三英雄

読んでくださってありがとうございます。

ぜひ、コメントやアドバイスをお願いします。

【パラディース皇国】と【ウトピーア王国】の国境に位置する、【ラミヤ高原】。

普段は色鮮やかの花が咲くこの場所は、今や地獄と化していた。

あたりを見渡せば、屍の山があちらこちらに積み上げられ、花達は総じて血の色に染まっている。

「……」

その地獄の中で一人、未だに立ち上がっている人がいた。

かつては黒く、今では地に染まってしまったドレスアーマーを身に纏い、それ一つのみで、威圧感を放つ様々な装備を着こなしている。

顔立ちは秀麗で、しかしどこか悲しげな表情をしている。

名を、マリー・ノワールという。

殺戮姫(マーダー・プリンセス)と呼ばれることの多い彼女は、手に持つ剣を地面に突き刺し、仁王立ちして構えていた。

「こっちは仕上げたぞ」

そこへ、一人の男が寄ってきた。

執事の着るスーツと似ても似つかない軽装備。背には馬上槍(ロングランス)を背負い、腰には二丁の魔法銃を携え、手に持った鎌を肩にかけている、全身が武器に包まれた男。

「パブロ、お疲れ様。っても、まだまだいそうだけどね」

「全くだ」

パブロと呼ばれた男は、マリーの横に立つと、鎌の刃を地面につけ、同じように構えを取る。

舞踏侍(ダンシング・サムライ)という二つ名にて呼ばれる男、パブロ・クロスは、遠くの空を見ていた。

連なる山々の奥に、大きな何かがゆっくりと、しかし確実に近づいている。

「異大陸戦艦か……一体何者なのだろうな」

数ヶ月前に突如現れた、謎の陸上戦艦。たった一機のみで、既にこの大陸の半分の国は滅びている。

さらに、その中から溢れ出る、人に似た生命体。魔族でもなく、人族でもないその者たちは、異大陸戦艦同等の恐ろしさは、今もこの大地を脅かしている。

「それをブッ壊すってーのが、うちらの仕事やろー?」

また一人、次は女が寄ってきた。

武装は一切持たず、着ているものも、アーマーなどではなく、一般の服。戦場に似合わぬ服装だ。

両手が星球武器(モーニングスター)であることを除いて。

また、観察力の鋭い者ならば、ひと目見て気づくだろう。

体に銃身が生えていることに。

死線(デッドライン) のカリン・フランクリン。体を糸で構成する、魔族と人族のハーフ(魔人族)である。

「そうだね。私達に達成できない依頼はないから」

そう言って、マリーが地面から剣を引き抜く。黒い刀身は赤く染まっているが、とぎれとぎれに覗かせる黒は、闇のように深いものだった。

彼女らの依頼。それは、目の前の異大陸戦艦の破壊だった。

「……生きて帰ろうね」

「せやなー。ここで死んだら興ざめやー」

「当然。我らの国を滅ぼしたその罪、今ここに断罪する」

各自が武器を構える。

異大陸戦艦は、はっきりと姿が見えるほどまで来ている。数々の砲台を持て余すほど持ち、あまりにも多すぎる索敵機は、四方八方を監視している。

「それじゃあ行こう。『黒羽楽団(ブラックウィング)』」

「ほな、本気で行くで?『紅糸翼レッドライン・ウィング』」

「『狂戦士化(フィジカルバーサーク)』、『闇への帰還(ダークネストリガー)』ッ!」

「突っ込め!」

そして、黒い翼を羽ばたかせるマリーが、糸を紡いで完成された翼で飛翔するカリンが、自身の強化スキルを併用しながら、宙をかけるパブロが異大陸戦艦へと突撃を開始した。


突如現れた異大陸戦艦と、マリー率いるパーティーの激突から五十年後。マリー達の命と引き換えに討伐された異大陸戦艦の恐怖を、人々は忘れ、新しい望まれぬ戦いを強いられることとなった。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。

次話もお楽しみに。

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