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レベリングで異世界放浪記  作者: たまねぎ剣士
第1章 異世界の始まりと種族
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第一話 犬虎さん

 目を覚ますとそこは見たことがない草原が広がっていた。草や木の香りは変わらないのに、見たことがない植物が周りに生い茂っている。





「あれ?俺なんでこんなところに…」






 俺の名前は葛城比呂(かつらぎひろ)

ごく普通の高校生で、いつものように朝登校しているところだった。




ガシャン!!!!



 そう、ビルの建築を進めている工事現場の横を歩いている時に、頭の上から明らかにおかしな音が聞こえたのだ。上を見た時にはものすごい量の鉄骨たち。

俺は下敷きになったのだろう。


 人が寝る瞬間がわからず、寝ている時から起きる瞬間がわからないように、意識が戻った時にはこの草原にいたのであった。


「こんなところ見た事ないんだけど、こわすぎ…」


 日常生活で見知らぬ草原にいることなど、日本で生活している時には考えられなかった。知らない植物、獣もいるかもしれない。ただ途方にくれるしかなかった。それに傷一つなく、怪我を全くしていなかったのだ。そして…


(なんだか身体が異常に軽いな)




 重力を感じないのだ。



 いつも身体に感じる重さをほとんどと言っていいほど感じない。ただ無重力のフワフワした感じもしないので、不思議な感覚にとらわれていた、


(もしやドラ◯◯ボールみたいにすごく強くなってるんじゃない?)


 そう思い、とりあえず跳んでみることにした。軽くね。本当に軽く。


 5メートルくらい跳んだ。



 そこに落ちてる石を握ってみた。



 石が砕けた。



「なんだよこれっ!!!俺の体どうなってんだよ」



 何となくだけど、ここが自分が元いた世界とは違う世界なんだと感じたのであった。












「キャーーー!!!!」


 悲鳴だ。

近くに森があって、その方向から悲鳴が聞こえたのだ。

(確実にヤバいやつじゃん…)


 とりあえず森に向かって走ることにした。ものすごいスピードで。その森はゲームとかでは表現されているようなものとか違い、木の枝や葉が重なり、太陽の光を遮断した薄暗い世界を作っていた。

 奥に人影と犬のような影が見える。犬というか大きさは虎みたいな大きさだ。静かにものすごいスピードでその場所に近づくことが出来た。そして木の陰からその場を確認した時―――



(なんだアレ…)


 犬のような虎?虎のような犬?犬虎と呼ぼう。

確実にヤバイ獣が親子と思われる女性2人に近づいていた。

 未だ嘗て見たことのない獣に、足がすくんでしまっていた。正直怖すぎるが、このままではあの親子が殺されてしまうのは誰が見ても明らかだった。


「グルルル…」


 鳴き声も犬だか虎だかわからないが、どう見ても興奮している。もう一度死んだのだから、よくわからない世界で生きる術も無くあっさり覚悟を決めることができた。


 そこにあるソフトボール程の石を、今の力を信じて思い切り投げつけた。


バコン!!!



 聞いた事もないような爆発音の後に犬虎が親子の横をすり抜けて、ぶっ飛んでいった。

「本当にこの力はなんなんだよ」

 親子が驚愕の表情でこちらを見ている。そりゃそうだよね、石投げて獣をぶっ飛ばすんだもん。




 しかし犬虎もしぶとく、足が当たった頭部からは血を流し、フラつきながら茂みから出てきた。こちらを敵と認識したのか、意識は親子からは無くなっていた。



「早く今のうちに逃げてください!」


ごく普通の生活をしていた少年の戦いが始まる。



――――――――――――――――――――


 犬虎に意識を向けつつ、親子がこの場から離れたことを確認した時には犬虎の意識は回復していた。その瞬間飛び掛かってきたが、何故かその動きを見ることができていた。


「うぉっ!!!」


 身体が軽く感じるおかげか、サイドステップで簡単に避ける事が出来た。ただ、かわしてもすぐに攻撃を仕掛けられ、先程のように石を投げつける事が出来ない。さらにかわし続けていたせいで、身体は軽くても体力が削られてきていた。



「はぁっ!はぁっっ!こんな事なら運動部に入っておけば良かった」



 気ままに帰宅部ボーイだった俺は運動が好きではなかったのだ。体力も運動神経も並。むしろ漫画や本を読むのが好きだった。


 その時ふとでかい岩が転がっているのを見つけた。


(もうチートな力があるならやるしかないよな)


 犬虎を避けつつ、岩のところへ転がる。そして力の限り岩を持ち上げた。犬虎も疲れてきていたのか、若干の隙が生まれた。


「もうどうにでもなれっ!!」


 全力で投げつけた岩は犬虎の顔面に直撃。飛んで行った犬虎は横たわり痙攣している。そして…


「えっ?」


 犬虎は白い光の粒となって空気中に消えていったのである。




『ユニークスキル【レベリング】が解放されました。ヒロのレベルが上がりました。』




 頭の中でエレベーターガールのような声が響く。急


 視界の片隅に意識すると小さいボックスが待機中に現れた。そこには様々な数値が書かれている。俺のレベルは4になっている事が理解できた。その他に力、体力、魔力、素早さ、賢さというパラメーターが書かれており、数字が割り振られている。


(もうよくわかんない。RPGの世界じゃん。というか、なんで今の戦いに勝って賢さも上がるんだよ)



 RPGでは当たり前になっているレベルシステム。ただ、レベルが上がるだけでトレーニングをしていないパラメーターも上がっていくこの能力で、俺の異世界放浪記が始まっていくのであった。

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