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*暇人勇者*〜つまらないので異世界へ〜  作者: 霧野おしる子
第1章 異世界から異世界
5/5

第4話*フラグ回収*

遅くなりました。続きです

読む人減っていそうだけど頑張って書き続けますね

ゴリちゃんと数十分談笑したところでゴリちゃんが立ち上がった。


「そろそろ時間かしらね。入学式よ、行きましょうか」



「あァ、もうそんな時間なんだ。ちょっと待ってな。」


俺は持ち物に入っていた『不死鳥の瞳』と言われる指輪をつける

何の効力もない只の装飾品だけどブラバを思い出すから安心するんだよな。


だが何故かその指輪に付いている青い石が少し光っていた



「行くわよ〜?」


「ほーい」


まあ、気にすることじゃないか。


ゴリちゃんに組まれそうになった腕を払いのけつつ俺達は部屋をあとにした。








「よぉ、お前らも新入生?」



俺達を見てそう言ってきたイケメン黒髪短髪のクラスのリーダーっぽい少年はグロウと名乗った。



「あァ、まあそうだけど、君も?」



「おう!そうだぜ、よろしくな。なんかお前らとは仲良くなれそうな気がしてさ〜、話しかけちゃったよ。ほかの奴ら皆ピリピリしてるし」





そんな事をケラケラ笑いながら言う。くそ、イケメンめ。カッコイイな。別に羨ましくなんかないもんね。


そんなことより、確かに皆ピリピリしている。談笑してる奴なんかなかなか居ないな。


ゴリちゃんをチラチラ見つつ萎縮してる感じの奴もいるけどね。



ゴリちゃんどう思う?



「ん〜。今年は王族が入って来るって噂よ、だから貴族出身者がピリピリしてるんじゃないかしら。」



見事にゴリちゃんは俺の心を読んでくれたみたいだ。

それはそうと王族か、

また厄介な時に来たもんだ。


俺の愛読書ラノベには王族が関わるとややこしい場面になる事が多い。触らぬ神に祟なしだ。

近づかないようにしよっと。




―――数分後



フッ


これがフラグ回収というイベントか。ほんとにあるんだな。





俺の席は王族の隣だった。



まさかそんな(笑)


頬をつねると痛かった。




「おい、お前。俺様の隣のみすぼらしいお前だ。」




...んだとてめェ。お前も同じ格好じゃねーか!なんか靴綺麗だけど。

それ以外だと顔か!俺の顔がみすぼらしいってのか!

ぶん殴ってお前の顔をみすぼらしくしてやろうかっ。



って思ったけど言わない俺は紳士オトナだと思う。



「...はい?俺の事ですか?」



「あぁ、そうに決まっているだろうが。貴様以外に誰がいるのだ。」



「......そっすね。で、何のようですか?」



「...ふ、なんのようとは惚けたことを。王族である俺様が隣の席なのだぞ?謙って挨拶するのが礼儀だろう。」



あー。もう。キラッキラの靴踏みてェな。学園のローファーはどうしたんだよ



「...まあ、俺様のオーラに圧倒されたんだろう?仕方ないから俺様から声をかけてやったんだ。ありがたいだろう、田舎者よ。」



は〜い〜??

オーラなんて微塵も感じませんでしたけど〜?むしろ俺の指先にとまってる

「気持ち悪い蚊みたいなやつの方がよっぽど存在感もオーラもあるよ。」



あ...、やっちまった...

いや、言っちまった...。

まさか声に出しちゃうとは...



やべェよプルプル震えてるよ



ゴリちゃんは席全然違うしどうしよ...


と思っているとその王族が叫んだ。



「......貴様ぁあ!!この俺様になんて口の聞き方だぁ!貴様なんかシルバーバングルも知力も財力も持たぬ、田舎者だろうがぁあ!!学長のお慈悲で学園に入った貧乏者の愚民の分際で!俺様に...!」



―――― パアァン!



俺はうっかり平手打ちしてしまった。


不味いとは思ったが不思議とスッキリしていた。日本の時にもこういう人様を見下し、侮辱する奴はいたけどやっぱこっちにいるもんだな。



まあ、俺のATKは1だしほぼ無傷だろ。プライドは壊しちゃったかもだけど。



でも周りでこのクソ王族の話をききながら暗い顔になっていく奴らを見たら、我慢出来なかった



些か平手打ちというのが女々しい気がするけどそんな事を知ったっちゃないわ。



「あー、スッキリした。なんだよ。お前さっきから俺様俺様って、お前の身分なんざこちとら気にしてる暇なんてねェんだよ。」



「...な、なにを」



「それにさ、ここは実力重視の学校なんだろ?自分の身分ひけらかさねェで実力示せよ。」



何人かうんうんと頷いている、おそらく身分のない実力派だろう。



「クククッ、言うではないか...。良かろう、貴様との差を見せつけるのも面白い。戦ってやろうではないか!!」



「「ならん!!」」


急にバカデカイ声が聞こえた。

声のする方を見ると

青髪ショートの美女、いや男?

よく分からないが教師風の人が仁王立ちしていた。



「お前達場を弁えよ!今から入学の式典という時に揉め事を起こすでないわ!」



あちゃー

そりゃそうだよね。


周りを見渡すとその会場にいるほとんど全員が俺達を見ていた。



「...ふん、命拾いしたな、愚民よ。ひとまずはこの戦い置いておいてやる」


偉そーに。

ま、確かに今戦えと言われてもこっちでの戦い方わかんない上にHP1だから命拾いっちゃあ命拾いかな。



「......うむ!面白いではないか!」



話が終わりかけていた所で急に小さいハゲ...、いや坊主...、す、スキンヘッド?の長い髭を生やしたご老体が言った。




「が、学長?どうされたのですか」


青髪が少し慌てている。


「うむ?だって丁度いいではないか?せっかくの入学式じゃ、余興があっても面白いではないか。」



「や、しかし...。」


「相変わらず頭堅いのぉ。王族の実力は気になっていたのだ。いい機会ではないかの?」



「...まあ、確かにそうですね...。私としてもバングル不所持者が上位バングル所持者とどれほど渡り合えるか気になります...」


「そうじゃろう、そうじゃろう。よしでは、早速準備しておくれ。」



「はっ!かしこまりました。

これよりそこにいる2名を学長ガイア・ユスティーツ様の意思によりこの会場にて決闘を行わせる!教師陣は準備!生徒達は黙ってじっとしていろ。そしてそこの2名は降りてこい。」



下から睨まれた...

こわ、一瞬でも美女だと思った俺が悲しいな。



と言うかさっきから聞いてたらなんだよ。俺は王族の当て馬かってんだ。しかもバングル持ってるし!足にしてる俺が悪いんだけどね。



まあ、こうなったらしょうがねェな。ぎったんぎったんにしてやろう。






そうして俺はフラグを回収しつつ、しっかり面倒事に巻き込まれた。




―――― ゴリちゃん視点



「自分の実力示せよ。」



まあまあまあ、あの子ったらあんなこと言ってる〜。



あんなの自分とたたかえって言ってるようなものなのに気づかないのかしら?


うふふ、やっぱり面白いわ



でも、そうね。


戦うとしたらどうなるのかしら


確かにバングル持ってなさそうだし、100%当て馬扱いだけど



彼、そんな簡単な評価じゃダメな気がするのよねぇ。


何かしら女の勘ってやつ?



あれは何か隠してるわ。


ルームメイトとして応援もしたいけど、ワタシも目的があって学園にきてるからあの子の実力見極めなくちゃね...。



ああん、でもでも決闘も楽しみだけどそれより隣のイケメンが気になるわぁ。



メモしとかなくちゃっ





こうして『ゴリの㊙️イケメンブック』が出来上がっていく








次回も割と時間あくかも...

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