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2人はその時、本当の愛を知った  作者: 楯山 鐘光
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祝福〜featuring 武田〜

 「お前面白い事考えるなー」

 俺は山本の突飛な質問に驚く。

 「でもさー」

 「てか、風呂入って勉強しねぇと、テストあんだろ?」

 俺は山本に風呂に入るよう首で促す。

 「話は終わってないぞ?」

 「これはまた今度な! これは話し込むとキリがないからよ」

 俺は山本黙らせて着替えを渡す。

 「でも!」

 「俺と一緒に風呂入るか?」

 反論しかける山本にそう言うと、山本は

 「わかった」

 と言って風呂に向かった。

 

 “よくあんな事考えるよなー”

 俺は心の中で呟く。

 “俺らってそんなにおかしい事か?”

 俺も俺で疑問が次から次へとでてきてしまう。

 俺の中で、俺らのことは間違いではないと断言できるが、それを間違いだと思ってる人に説明するのは難しい。

 “もし結婚式上げるんだったら、俺の親父だけしか来ねぇのか”

 と考えると寂しい。

 “今まで一緒に暮らしていた息子をそう簡単に捨てるのか……”

 そんな事を考えると、山本が複雑に考えてしまうことも納得が行く。

 “どうにか出来ねぇのかな”

 と考えていると

 「風呂上がったぞー」

 山本が頭を拭きながら部屋に入ってくる。

 「なんだ、今日は裸じゃねぇのか」

 と言って笑うと、山本が拭き終わったタオルを投げつける。

 「お前もさっさと風呂に入れ」

 と言われ、俺も風呂に向かう。

 

 「はぁ……」

 ゆっくり湯船に浸かると、何もかもどうでもよく感じてしまう。

 “誰かに祝福されたりしなくても俺らは俺らのままでいいよな”

 俺は次この話が出た時に、山本にそう言おうと心に決めた。

 

 「なー山本ー! ここなんだけどな……」

 「お前、また同じところで引っかかってんのか?」

 「覚えられねぇもんは仕方ないだろ?」

 「俺は覚えてんのにお前だけ覚えてないのはおかしいだろ?」

 「覚える代わりにキスしてくれねぇか?」

 「だったら、俺は勉強を教えないし、お前は赤点を取って先輩に怒られればいいだろ?」

 俺と山本はそんなことを話しながら勉強を進めた。

 

 一生懸命教えてくれる山本は頼もしく、愛おしかった。

 

 “俺は山本を愛し続ける”

 とも心に誓った。

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