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2人はその時、本当の愛を知った  作者: 楯山 鐘光
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虚偽~featuring 伊集院~

典子の彼氏が別れたがってる理由を突き止める、そう約束はしたものの、少し後悔しているのが現状。

 私はこのカンの鋭さは小さい時から嫌だった。昔っからカンが鋭すぎて、怖いもの扱いされてた時期があったから、っていうのもあったけど、何よりも1番嫌なのが、人を心から信頼することが出来ないから。

 典子は私のカンを頼りにしてるけど、きっとそれは間違い。私は典子と“ある報酬”が貰えることで承諾したけど、本当の事は言えない。友達の為を思って言えない。

 なぜなら私は既に感づいているから。

 “典子の彼氏には好きな人がいる”

 私の経験上、これは言える。この勘は正しい。もちろん典子の彼氏と会ったことはないけど、話を聞いている限り、それ以外の可能性は無い。典子の性格上、彼氏に好きな人が出来たと知ったら、徹底的に潰しにかかるはず。典子は金持ちの一人娘で、欲しいものは何でも手に入れたがるタイプ、って程ではないけど、大事な物を失わない為には例え犯罪に手を染めても取り戻そうとする。多分典子は彼氏が好きな人に対する嫌がらせ、彼氏へのストーカーをし始めると思う。接近禁止命令が出るまで、いや出ても止めないと思う。

 大事な物を失わないようにするのはいい事なんだけど、この場合、行き過ぎると典子が犯罪者になってしまう。それだけは避けたい。だから私は典子の彼氏が別れたがってる別の理由を探さないといけない。

 

 「ねぇ典子ー」

 「んー?」

 観覧席に座りながら典子に話しかける。

 「2年付き合ったんでしょ?」

 「そう! 2年よ? なのに捨てるとか有り得る?」

 “捨てるって言わなくても”

 なんて思いながらも話を続ける。

 「そんだけ続くって事は、結構すごいことだよ?私なんか半年も続いたことなんて一度も無いんだよ?」

 「それは華奈の彼氏選ぶセンスが悪いだけ」

 典子にきっぱり言われた。

 “センスが悪い…………”

 そう言われてわざとムスッとするけど典子は知らんふりする。私は思わずため息をついた。

 「まぁ、潮時だったってことも有り得るよ?」

 わざとそう言うと

 「それってどういう意味?! 次意味わからない事言ったら報酬はあげないからね!」

 と逆ギレされた。 

 「……わかった。もう何も言わない」

 私はまっすぐ前を向いた。

 

 “その性格のせいで典子に冷めたんだと思う”

 こじつけになるけど、そう言えば典子の性格が少し変わる可能性もあるし、彼氏の方に被害が行くこともないし、一石二鳥なんじゃないかな、と考えた。

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