これからの事→即引っ越し→大豪邸の案内
翌日。衝撃の連続だった昨日、あの後俺と文香さんは家へと帰り新居への引っ越し準備をして今日からこの大豪邸に住むこととなった。
(て言うか行動が早いな。昨日の今日で・・・)
「なんて言ったらまた・・・」
『だってはやく美宇宙ちゃんと生活を共にしたいんだもん❤』
『私もよ文香❤』
「なんて言うんだろうな。・・・何か徐々に慣れつつある自分がいる」
「どうしたの勇ちゃん?」
「い、いえ何でもないですよ!?」
声に出てたようだ。横にいる文香さんに聞こえてなくて良かった。
「荷物は全部後から運ばれてくるから、それまで休んでて良いわよ勇ちゃん」
「あぁはい。そうします」
グイグイ――。
「ん?」
袖を引っ張られる。
振り向いて下を見ると、
「にーさん、家の中、案内するよ」
「あぁ、黒衣ちゃん」
秋ノ宮家六女の黒衣ちゃん。白愛ちゃんとは一卵性の双子だけあって瓜二つ。
だが白愛ちゃんのくりくりな目とは違いジト目な所がこの子のチャームポイントなのかも・・。
(いや、チャームポイントって・・俺は急に何を考えているんだ)
「にーさん、はやく」
「う、うん。」
急かすようにグイグイと俺を引っ張っていく黒衣ちゃん。
いつの間にか袖ではなく俺の右手をぎゅっと握っている。
「ここがキッチン。」
「おお、大きい」
「こっちがトイレ」
「うん、大きい」
「ここがお風呂」
「お風呂っていうか・・大浴場じゃない?」
そうやって隅々まで案内してくれる黒衣ちゃん。
(しかし全部大きくて広いな)
「今案内したのと同じのが二階と三階にもある」
「・・・何か、驚き通り越して逆に反応しづらいな・・・」
と、此処で、
「あぁー!!黒衣ちゃんにーちゃんと手繋いでずるーい!!」
後ろから白愛ちゃんの声がして振り向くのと同時に左手を握られる。
「へへーん、白愛は左手―!」
「は、白愛ちゃんか」
右に黒衣ちゃん。左に白愛ちゃん。それぞれ俺の手を握る。
(ちょっと恥ずかしいな)
「二人で何してたのー?」
「にーさんに家の中、案内してた」
事の経緯を説明する黒衣ちゃん。
(しかしこう改めて見るとホントにそっくりだなぁ~)
なんて二人を見ながら思っていると・・・
「にーさん、そんなに見つめられると恥ずかしい///」
「もうにーちゃんったら///」
あっ、美宇宙さんの娘だ。そう思った。
そのあとは三人で家の中を見て回った。
すると白愛ちゃんが、
「あっそうだ黒衣ちゃん、にーちゃんに部屋見せてないよ!」
「そうだった、行こうにーさん」
「えっ?けどもう大体見回ったんじゃ・・・」
(なんだろう?まさか書庫とか何々専用の部屋とかかな?)
この豪邸ならありえそうなことを想像して二人に引っ張られて着いたのは・・・、
「此処は何の部屋?」
「白愛と~」
「黒衣の」
「「二人部屋~!」」
「・・・・・えっ?」
可愛い一番下の我が義妹二人の部屋だった・・・。