目的地→豪邸→衝撃告白
話が急展開すぎるかもしれませんが、そこのところはお許し下さい。
「えっと・・・ここで間違いないよな?」
文香さんに電話で来てくれるようにと呼ばれて、着いた待ち合わせ場所。
そこは、俺の人生で絶対に来ることのなかったであろう豪邸。
「何此処?千葉にあるランドか?」
どうしていいのか分からず、門の前で独り言を言いながらウロウロしていると・・・
「勇ちゃ~ん」
門の向こう側から見知った人影が。
「文香さん!」
そう俺の義母の文香さんだ。
俺の所まで駆け寄ってくる。
「待ってたわよ勇ちゃん♥さぁ行きましょう、みんな待ってるわ♥」
「えっ?待ってるって誰が・・・うわっ!?」
なんの事か聞こうとしたが、門を開けた文香さんは俺の手を掴んで早足で豪邸の中へと入っていく。
―――――――――
豪邸の中は床にはどでかい絨毯、壁には高そうな絵画、天井を見上げればシャンデリアなんてついている。
「あの文香さん?此処誰の家です?それに何処に向かってるんですか?」
「それもついてから話すわ♥」
「はぁ・・・わかりました。」
そんな会話をしながら文香さんの後について行く俺。(ホントに何なんだろうか?)
そんなこんなで歩くこと数分。
「付いたわ此処よ」
目の前には大きな扉。
文香さんはノックをすると、扉を開ける。
扉の先には・・・
「待ってたわよ~文香♥」
「ごめんね~待たせちゃって♥」
文香さんと同い年くらい(年齢は教えられない)の女性が一人と、中学生か小学生くらいの女の子達が俺のことをじっと見ていた。
「もう、寂しかったんだから~♥」
「ごめ~ん♥許して♥」
「しょうがないなーじゃあ許す♥」
何かイチャイチャし始めたんだけど・・・。
「あの・・・」
「あっ、ごめん勇ちゃんついいつもの癖で」
いつも!?いつもそうやってイチャイチャしてんの文香さん!?
「えっと・・・この方達は?」
「私達はね、君の―」
「待って美宇宙ちゃん、私から話すわ」
文香さんが美宇宙と呼ばれた女性の話を遮る。
「勇ちゃんとりあえずソファーに座って、紅茶でも飲みながら話しましょう」
「あぁ・・・はい」
言われるがままに俺は文香さんの隣に座り、美宇宙さんという女性と未だに俺を見続けている女の子達と対面する。
「どうぞ。熱いから気をつけてね♥」
「あ、どうも」
美宇宙さんが俺の座っているテーブルの目に前に紅茶の入ったティーカップを差し出す。
「実はね勇ちゃん、とっても大事な話があるの」
「はい」
いつになく真剣な感じの文香さん。それほど重要な話なのだろう。
「あぁ、紅茶飲みながらでもいいわよ♥」
「えっと・・・じゃあいただきます」
文香さんに言われてティーカップを手に持つ。
「それで話の続きなんだけど・・・よく聞いてね?実は私・・・」
文香さんの話を聞きながら紅茶を口に含んだ。
「美宇宙ちゃんと・・・再婚する事にしました~~~♥♥♥」
「ブフォッッッ!!!!!」
が、吹き出した。
「きゃあ!?大変!大丈夫勇ちゃん?紅茶熱すぎた?」
そうじゃないよ!?えっ?ていうか今・・・
「今・・・なんて言いました?文香さん」
「だから~、美宇宙ちゃんと再婚するの♥恥ずかしいから何度も言わせないで///」
「文香可愛い~~♥」
照れて真っ赤になる文香さん。
それを見て文香さんをギュッとする美宇宙さん。
何これ?
「・・・じゃなくて!!文香さん今言った事本気ですか!?」
「もっちろん♥」
「でも・・・あの美宇宙さん?」
「何かな[私の息子]になる勇乃君?」
いや[息子になる]を強調しなくていいですよ。
「失礼ですけど美宇宙さんって・・・女性ですよね?」
「もちろん。生まれた時からこれからも女性だよ」
「どうやって結婚するんです?」
「同性婚が認められている国に行く」
「マジですか?」
「マジです」
なるほど。二人共本当に本気か・・・それなら、
「わかりました」
「勇ちゃん・・・それって」
「二人が本気だっていうのは伝わりましたから。だから俺はもう何も言いませんよ」
それに文香さんには幸せになってもらいたい。
たとえそれがどんな形であっても、文香さんがそれで幸せだって言うならそれでいい。(まぁ恥ずかしいから口にだして言わないけど)
「ありがとう!!勇ちゃん!!」
「ちょっ!文香さん抱きつかないでください!恥ずかしいですから!」
(ヤバイ!!文香さんの胸が!!)
「私、勇ちゃんにもし反対されたらどうしようって考えちゃって・・・」
「しませんよ。俺が今まで文香さんに反対した事なんてありました?」
「うん・・・あった」
「でしょう・・・ってえぇ!?ありました!?」
「私が背中流してあげるって言ったのに、勇ちゃんが「いいです!!」って」
「それは恥ずかしいから・・・」
(それにタオル巻いているとはいえ文香さんと一緒にお風呂なんて・・・まずいよ!身体的にも精神的にも!)
とここで、美宇宙さんがこちらを恨めしそうに見ているのに気付く。
「・・・あの、なんです美宇宙さん」
「文香とイチャイチャしてずるいんだ~勇乃君!!」
「別にイチャイチャしてるわけじゃ・・・」
て言うかさっきイチャイチャしてたでしょ。俺のこと忘れて。
「そういえば何で美宇宙さん俺の名前知ってるんです?文香さんから聞いたんですか?」
「うんそうだよ。勇乃君は私達の事文香から聞いてないの?」
「はい全く」
そもそも再婚の話すら聞いてないよ。まぁだから今日呼ばれたんだけど。
「じゃあ私達もそれぞれ自己紹介するよ」
そう言って美宇宙さんは隣に座っている女の子達を見る。
女の子達はコクンと頷く。
そして美宇宙さんが一言
「この子達が私の可愛い娘達で~す!」
いいところで区切ります。