すてきなホットケーキ ~ホットケーキを作って食べるだけの話。
―――ホットケーキはすてき
ホットケーキはすてき―――
休日の朝。
散歩中、マックから出てきた親子連れがそんな歌を歌っていたので、私の口内が猛烈にホットケーキを主張しはじめた。
朝食はホットケーキで決まり。
マックに入ればあるんだろうが、せっかくならでかいやつが食べたい。
フライパンサイズを3枚作ってはちみつとバターがっつりかけて食べたい。
いや、メープルシロップでもよい。
ソーセージとか目玉焼きとかあってもよい。
牛乳と卵はある。
小麦粉?そんなもん料理する奴しか買わんだろ。
私のような素人はホットケーキミックス一択である。
コンビニに寄って粉を買い、メープルシロップとバター、念のため牛乳も買った。
レジのおばちゃんが心なしかいつもよりニコニコしていたが気にしない。
安アパートの台所で、片手鍋に粉をあける。
ボウル?そんなもん料理する奴しか持たんだろ。
続いて卵。計量カップも当然ないので牛乳はマグカップで量る。スプーンでぐるぐる混ぜて生地完成。
フライパンは実家で眠っていた高級品。なんか昔訪問販売で買わされたらしい。遊びに来た料理好きの友達が感動してたからモノは本当にいいようだ。
温めて、バターを溶かす。サラダ油もあるけどせっかくなのでバター。余らせたってどうせ使わないし。
生地を落とす。じゅわっといい音がして早くもホットケーキの香り。
蓋をしてしばし待つ。
待ち過ぎた。茶色くなった。
表面まで火が通ってしまったがとりあえずひっくり返して焼き色は付ける。
穴だらけのいびつな模様。まあよし。
2枚目。
同じようにバターを溶かして生地を落とし、今度は蓋をしてから数十秒で開ける。
成功。ひっくり返すときにちょっと生地が寄ったが、これはノーカン。
3枚目。
2枚目で要領はつかんだ、楽勝と思っていたら甘かった。今度は焦げてひっくり返せない。バター溶かすの忘れてた。
ガリガリとへらで削って、少し残った生地で最後の一枚。
成功。
ホットケーキチャレンジ、二勝二敗。
平皿に3枚載せて、焦げた一枚はフライパンに戻す。後で焦げだけ剥がしてやるからな。
形も色もいびつだがけっこう楽しかった。
バターを厚めに切って乗せ、メープルシロップをたっぷりかける。
なんて優雅な朝食。
テーブルに置いてテレビを見ると時刻は11時半。
よし、昼食だ。
私はフォークを手に取った。
ナイフ?そんなんこの香りの前には些末な問題だろ。
大きく切り取って、ばくりと口に入れる。
うん、うまい。




