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空蝉の述

作者: Hora

こんばんちは。暑いですね。(せみ)です。ミーンミーンの蝉です。


本日は私達、蝉に関しての新事実をあなたに伝える準備があります。


覚悟は良いですか?


これを言ってしまうと私は他の蝉に袋叩きにされるかもしれません…


…え、…ボコボコにされるのを見てみたいって?勘弁して下さい。


さて。あなた達人間の世界のゲームにはボスという存在がいますよね?


…え?ゲームはしない?うーん…、進行するにあたって準備をしないと突破ができない、立ちふさがってくる敵です。


ん、はいはい。あなたの言う課長の認識でおおよそ大丈夫です。


で、そのボスなんですが、、、ボスって紛らわしいですね。


あなた達の世界の意味で社長って意味でしょう?


ゲームのボスの話をします。


 そのボスが凄く肌面積が少なく派手な恰好をしている踊り子のようなタイプで、その周囲には魔法陣のようなものが空中に展開されていたり、サッカーボールほどの大きさの4色のボールが体の周りをぐるぐる回っている状況を想像でき…ませんよね。


え!分かる?そこは分かるんですね。


…で、その踊り子のようなボスは何度倒しても何故か体力全快で復活してくるんですよ。


何故だか分かります?


…ふむふむ。周りを回っている4つのボールの(うち)の1つである黒色が本体。


……それが解答でいいですか?


………正解です!!!


あなたゲームしないのにどうしてこのシチューションが分かるんですか?


色まで当ててますし。


…あぁ、会社で課長の本体は頭の上に乗っているソレだって話をしているからでしたか。本人に絶対言わないであげて下さいね。


ただ知っているならば話は早いです。


実は…


蝉の本体は蝉の抜け殻…空蝉(うつせみ)の方なのです!


皆が思っている本体の方はデコイ()であり、大音量で泣き喚いていたり、道路でひっくり返っていて近づくとビビビ!って動いてイラつかせてくる存在感MAXの方が実は偽物なのです。


なぜそんな事をするのかって?


私がしている訳ではなくて進化の過程でそうなったので、理由を聞かれても明確には分かりませんが私なりの考えはあります。


そもそも私達は寿命が1週間かそこらとか言われますが、そんな訳ありません。


地上でも3週間近くは生きられます。


あと土の中が死んでいる設定だとしたらモグラは寿命0日じゃないですか。


土の中でも私達は生きていますよ。


ただこちらも土の中で7年とか言われていますが、蝉によるとしか言えません。


1年だけ土の中にいるヤツから、17年土の中にいる変わったヤツもいます。


理由1として基本私達の種は臆病なのです。


素数の年だけ土の中に潜っていて、他の生物の大繁殖を避けようとしたりしますしね。


7年も土に潜っていたのにいざ出てみたら天敵だらけとかもありえるので怖いですね。


そんな中でも極力リスクを抑えることができるのがこの空蝉(うつせみ)作戦なのです。


ちなみに、なぜ本体が抜け殻の方なのかは考えてみてもらえば分かります。


私達蝉は餌は樹液のみです。


他の一切の物は栄養になりません。


土の中では主に樹の道管から水を、成虫したあとは樹の師管から栄養をとります。


理由2として樹から離れることに何のメリットも無いのです。


空を飛べる能力・栄養・大音量を出すデコイが鳥やちびっ子に追い回されてビビりションを漏らしている間に抜け殻ですっかすかとなった本体は樹の根本に落ち、幾度目かの土に潜るのです。


私達は一部のクラゲのように同一個体が成体⇔幼体を繰り返す生態をしていたのです。


でも時々、抜け殻ばかり集めるような気色悪い人間がいたりするんですよね~。


…え?あなたも集めてた?


私が言うのもなんですけどあんなもの集めて何が楽しんですか?


うわっ!ミキサーにかけてた???


それは私にとっては超ド級のホラーですけど、人間にとってもホラーじゃないんですか?何やってるんですか、あなた。


うふふじゃないですよ。怖いですよ。マジで。 


…え?何でそこまでして危ない地上に上がってくるのか?ずっと土の中にいれば安全?


確かにそうですね。しかし私達の本能が地上の樹の上が故郷であると告げているのです。


土から顔を出し、樹の下から樹の上に上がっていくスリリングな帰り道。


そして樹の上で師管から栄養を吸い、デコイを残して私は自然落下する。


そして土の中に避難する。


…え?缶蹴りみたい?あはは。そうですね。言われてみれば。


では私はそろそろ土に帰ります。


…あ、いや。死ぬって意味じゃないですよ。空蝉(うつせみ)にもこの世って意味がありますから紛らわしいですよね。


そうそう、報酬の百均に売っている樹液は忘れないで下さい。


あれ美味しすぎて樹の樹液なんて吸ってられないです。

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