98話 翌朝
チュンチュン。
朝になった。
俺は爽やかに目覚める。
隣では、シルヴィがまだ眠っている。
「うう……。ご主人様、わたしは幸せです……」
シルヴィが寝言でそうこぼす。
彼女は昨日が初めてだったそうだ。
俺が優しくリードしてあげた。
俺もこの世界では初体験だし、お互いの初めてを捧げあった運命の相手と言っても過言ではないだろう。
今日は大きな予定は入っていない。
このままシルヴィが起きるまで待っていよう。
彼女のかわいい寝顔を見つつ、二度寝する。
至福のひとときだ。
そして、しばらくして。
「むにゅ……。ふぁああ……」
シルヴィが寝ぼけ声とともに、目を覚ました。
かわいい。
「おはよう、シルヴィ」
「おはようございます。ご主人様……」
シルヴィは少し照れているようだ。
夜はあんなに積極的だったのに。
今は、顔を赤らめてそっぽを向いている。
「どうした?」
「あう……。少し恥ずかしくて……」
やはり、まだまだこういうことに慣れていないせいか。
羞恥心が抜けないようだな。
「何を恥ずかしがる必要がある。俺たちは、互いの全てを見せあった仲だろう?」
昨日が俺たちにとっての初体験だったので、極めてノーマルなプレイしかしていない。
しかし、それでも大切なところはお互いに見ている。
「うう……。でも、昨日ははしたない声を出してしまっていた気がします。ご主人様がお上手すぎるので……」
確かに、彼女は昨日かわいい声を上げていた。
俺のテクニックで満足してくれたようだ。
一方で、彼女も慣れないながら一生懸命がんばってくれた。
「いや、シルヴィの声はかわいかったぞ。何も恥ずかしがることはない。さあ身支度をして、ユヅキとともに朝食を食べよう」
俺はそう言う。
普段から、俺とシルヴィは同室で、ユヅキは隣の別室を借りている。
朝食はできるだけタイミングを合わせて、ともに食べるようにしている。
俺たちは着替えなどを済ませていく。
俺たちがそれぞれ朝の身支度を終えたときーー。
コンコン。
ドアがノックされた。
「ユヅキか?」
「うん。おはよう。入ってもいい?」
「もちろんだとも」
俺はそう返答する。
今までにも、打ち合わせなどをこちらの部屋でしたことがある。
入室を拒む理由はない。
そう思ったがーー。
「あっ。ご主人様、マズいのでは……」
「ん? 何がだ?」
シルヴィから懸念の声が上がったが、俺はよく理解できなかった。
ギイィ。
ユヅキがドアを開け、中に入ってくる。
「……んっ!? これは……」
ユヅキが顔をしかめる。
シルヴィはアチャーという表情をして、手を顔に当てている。
何か問題でもあっただろうか?




