800話 アクセルとスロウス-3
「な、なにっ!? 私の衣服がズレて……男根が外に見えている!!??」
ザルードが悲鳴を上げる。
彼は慌ててズボンを直し、股間を隠すように手で押さえた。
「し、失礼しました……。衣服の紐が緩んでいたようで……」
「くっくっく。紐が緩んだ程度で、男根が外に飛び出るものかね? ザルード大司教には、そのような趣味があるんじゃないか?」
「そ、そのようなことは……」
ザルードが冷や汗をかいている。
大司教として子爵の来訪に対応している最中に、男根を曝け出す。
間違いなくスキャンダルだ。
「いやぁ、これは面白いものを見た。ザルードが、まさか来客に男根を見せつける趣味を持っているとはな。これは、男色に関しても疑惑があるぞ?」
「だ、断じて違います! 私は、教会の教えに背くようなことは何も――」
「口では何とでも言えるさ。エウロス子爵家の名を使って、ザルード大司教の身辺を調査してみるのも悪くないかもしれないな。それとも、他の街にいる大司教や司教に調査を依頼してみようか?」
俺がそう言うと、ザルードは真っ青になった。
まぁ、所詮は密室で起きたことなので、いざとなれば『知らぬ存ぜぬ』という手も使えるが……。
俺は子爵にしてSランクパーティ『悠久の風』のリーダーだ。
そんな俺が本格的にスキャンダルを主張し敵対してくるとなると、話が変わってくる。




