799話 アクセルとスロウス-2
(2つの能力を掛け合わせれば……)
俺はソファから立ち上がり、ザルードの近くに移動する。
そして、少しばかりのイタズラをして、ソファに戻る。
イタズラ先が美少女じゃなくて残念だが……。
目的のためには手段を選んでいる場合ではない。
「くっくっく……」
「……どうされましたか? エウロス卿」
「どうかしているのは、ザルード大司教の方ではないか?」
俺の言葉に、ザルードは眉をひそめる。
自分が何をされたのか、分かっていないようだ。
(まぁ、そうだろうな)
俺は心の中でほくそ笑む。
ザルードが困惑するのも無理はない。
単体でも強力なスキルである『アクセル』と『スロウス』を重ねがけされては、非戦闘職である彼が対応できるはずもない。
「ザルード、ここはお前専用の執務室なのだろうが……。あまり羽目を外さないようにした方がいいぞ?」
「あ、はい……? どういうことでしょうか?」
俺はニヤリと笑う。
俺の言葉の意図をザルードは理解できていないらしい。
「突然、自分の男根を曝け出すなんて、何を考えているんだ?」
「……はい?」
「教会では、男色が禁じられていたはずだが……。まさか、ザルード大司教にはそのような趣味が?」
「は? いや、何を言っているのですか? そんな訳ないでしょう。私の……私の……?」
ザルードは自分の下半身に目を向ける。
そして、目を見開いた。




