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797話 勇者-2
「そ、そんな馬鹿な……!? 『勇者』は特殊上級ジョブ……! 『風魔剣士』も素晴らしいジョブですが……取得方法は解明されています。しかし……しかし『勇者』は、取得方法が未だに不明の超希少ジョブ……。なぜ、エウロス卿が……」
ザルードは混乱しているようだった。
それも仕方のないことだろう。
特殊上級ジョブ『勇者』は、MSCにおいてもやや珍しいジョブだった。
いろいろとチャレンジングなことができるゲーム内においても珍しかったのだ。
ジョブが現実の生活に関わっているこの世界では、『勇者』を取得できる者などそうそういないはず。
――いや、少なくともこの国においては俺ぐらいしかいないはずだ。
「詳しいことを明かすつもりはない。だが、『勇者』のジョブを持つ者が教会の敵となるか、それとも味方となるか。慎重に判断した方がいいと思うぜ」
「ッ……!!」
ザルードが歯を食いしばる。
彼なりに、現状での最善の行動を考えているようだ。
しかし、混乱が大きいのか考えがまとまっていないように見える。
ここらで、畳み掛けていくことにするか。




