795話 ファーストジョブ
「エウロス卿に『ジョブ鑑定』を……ですか? あなたが許可されるのであれば、もちろん構いませんが……。果たして意味はあるのでしょうか?」
ザルードは懐疑的だった。
彼の気持ちはもっともだといえる。
スキル『ジョブ鑑定』は便利だが、超強力というほどではない。
魔道具を使えば同じ効果を得ることができるからな。
それに――
「俺のファーストジョブを知っているのか?」
「はい。エウロス卿のファーストジョブは、超上級ジョブの『風魔剣士』でしょう? 上級ジョブ『風魔導師』と上級ジョブ『剣豪』を極めた者が至る境地だとか。素晴らしいジョブであることは間違いありませんが、その程度の情報は事前に報告を受けています」
ザルードは俺のファーストジョブ『風魔剣士』を知っているようだ。
まぁ、それも当然か。
彼は教会の大司教だ。俺の情報を、事前に入手していても不思議はない。
しかし――
「ふっ。部下が持ってきた情報を信用するのは結構なことだ。しかし、今は目の前に本人がいるんだぜ? その上、ザルード大司教には自前の『ジョブ鑑定』スキルがある。ならば、自分の目で直接確認するのも悪くないだろう? どうせ、スキルを発動しても失うものはないんだ」
「……『ジョブ鑑定』にも多少のMPは消費するのですが。しかし確かに、エウロス卿の仰ることにも一理ありますな。重要な情報は、自分で仕入れるに越したことはありません」
ザルードは俺の提案を肯定する。
彼は椅子から立ち上がり、俺の目前まで移動してくる。




