794話 ジョブ鑑定
俺は大司教ザルードと交渉中だ。
仲を深めるために雑談をし、彼の孫娘シフォンについても親切心から忠告してあげた。
するとなぜか、彼は『助祭』『修道士』『シスター』の派遣を申し出てくれた。
俺は、シフォンは含まれていないのかと疑問を口にするが……、ザルードから返ってきた答えは拒否だった。
「それでは、お話はここまででよろしいですかな? そろそろ、私も執務に戻りたいのですが」
「いや、待ってくれ。もう1つだけ言っておきたいことがあるんだ」
俺との会話を切り上げようとするザルードに、俺は待ったをかける。
現状で引き出した派遣内容。
それは、『助祭』を1名、そして『修道士』や『シスター』を数名というものだ。
悪くない内容だが、もう少しだけ好条件を引き出しておきたい。
具体的には、大司教ザルードの孫娘であるシフォンの派遣だ。
「ザルード、お前は『ジョブ鑑定』は使えるだろう?」
「『ジョブ鑑定』ですか……。もちろん、特殊上級ジョブ『大司教』を持つ私くらいになれば、使えますが……」
「それで、俺の鑑定をしてみないか?」
俺はザルードに提案する。
彼の『ジョブ鑑定』は、相手が許可しているのであれば、その対象のファーストジョブを確認できるというものだ。
魔道具『ジョブ鑑定水晶』と同じ効果だな。
本来は魔道具の力を借りなければできないことでも、特殊上級ジョブ『大司教』を持つザルードならば、自力で行うことができる。




