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786話 人材斡旋の依頼-4

(俺たちには、複数のジョブがあるからなぁ……)


 俺はセブンスジョブまであり、仲間たちはみんなサードジョブまで持っている。

 この世界の住民は、基本的にファーストジョブしか持っていない。

 特殊な生まれの者や厳しい鍛錬を積んだ者でも、せいぜいがセカンドジョブまでだろう。


 俺たちが複数のジョブを持っていることは、冒険者ギルドや王国には明かしていない。

 それぞれのファーストジョブのみを情報として伝えている。

 そのため、得意分野の方向性は概ね正しく認識されているだろう。

 一方で、セカンドジョブ以降の恩恵による総合的な強さや多才さは正しく認識されていない。


 特に俺は、セカンドジョブの『勇者』を秘匿している。

 超上級ジョブ『風魔剣士』は強力だ。

 しかし、ファーストジョブに『風魔剣士』で、セカンドジョブ以降が設定なしの場合はそこそこ程度の強さにしかならない。

 今の俺のように、ファーストジョブを『風魔剣士』にした上で、セカンドジョブに『勇者』、サードジョブ以降にも上級ジョブを設定すれば、段違いに強くなることができる。


「そのような危険な場所に、教会関係者を派遣することはできません。ただ、開拓事業の成功は願っております。安全が確立されましたら、また改めてご連絡ください」


 ザルードは丁重に断ると、立ち上がる。

 おいしいところだけを持っていくつもりなのだろう。

 危険な開拓初期を避けつつも、頃合いを見て関係者を派遣する。

 現実的かつ効率的なやり方である。


「まぁ待ってくれよ。ザルード大司教には……2つほど、伝えたいことがある」


 俺はまだ話を終わらせる気はない。

 彼を説得するべく、言葉を続けることにしたのだった。

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