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772話 道案内の浮浪児-1

 俺たち『悠久の風』は、諸々の準備や人材集めのために王都内で散らばった。

 俺はといえば、1人で宛もなくブラブラと街中を歩いている。


「さて、どうしたものかな……。とりあえず、適当に酒場に入ってみるか?」


「アニキ、腹が減っているのか?」


「ん?」


 振り返ると、そこには幼い少年がいた。

 年齢は10歳くらいだろうか?

 その傍らには、8歳ぐらいの女の子もいる。

 2人ともボロ布のような服を着ており、顔立ちはそこそこ整っているものの薄汚れていた。


「……なんだ、お前らは?」


「道案内が必要なら、オレに任せてくれよ! 鉄貨5枚で請け負うぜ!!」


「…………」


 つまり、あれか。

 浮浪児とか孤児とか呼ばれる類の子どもたちか?

 俺のようなお上りさんを見つけ、小銭稼ぎをしようとしているわけだ。

 こんな子どもでも、土地勘だけで言えばお上りさんの大人よりも上だろうしな。

 力仕事や接客業をするよりも、いくらか合理的な選択だろう。

 しかし――


「鉄貨5枚だと?」


 いくらなんでも安すぎないか?

 現代日本で言えば……数十円ぐらいだろうか。

 この世界と現代日本の物価基準は異なるので一概に言えないが……。

 子どもとはいえ道案内の対価としてはあまりにも安いように思えた。

 俺はつい、険しい顔をしてしまう。

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