769話 『悠久の風』会議-1
俺は叙爵式を乗り切った。
そして、王都の高級宿屋でのんびりしつつ最新ステータスを確認した。
そろそろ開拓事業に向けて動き始めなければならない。
「いよいよ未開拓の地域に向かうわけですね! 腕が鳴ります!!」
「大変な仕事になりそうだけど、僕たちなら大丈夫だよね」
「Aランクパーティ『悠久の風』なら、きっとどんな困難だって乗り越えられるのです!」
シルヴィ、ユヅキ、ミナが言う。
今回の西方開拓任務は、コウタ・エウロス男爵がウルゴ陛下から受けた勅命である。
冒険者パーティである『悠久の風』に直接の関係はない。
だが、『悠久の風』のリーダーは俺だ。
そして、言うまでもなくパーティメンバーとの関係は良好。
冒険者パーティ『悠久の風』がコウタ・エウロス男爵の西方開拓任務に協力するのは当然の流れであった。
「みんな、ありがとう。頼りにしている。……あ、だが、1つだけ訂正があるぞ」
「「「???」」」
俺の言葉に、みんなは揃って首をかしげた。
そんな何気ない仕草も可愛い。
「俺たち『悠久の風』はAランクじゃない。叙爵式の時に、Sランクパーティだと認められたんだ」
「えっ!? Sランクになったのか!? あたいたち!」
「……す、すごい……。ついにSランクに……」
「Sランクは、本当にすごいですわよ? それも、これほどの短期間で昇格できるなんて……!」
リン、ティータ、ローズは目を丸くしていた。
MSCの感覚が抜けきらない俺にとって、Sランクパーティはまだ通過地点だが……。
彼女たちにとっては、とんでもない大躍進らしい。
まぁ、そりゃそうだよな。




