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713話 失望
「一方の騎士団長よ。そなたには少なからず失望した。確かにそなたは強い。だが、それ故に慢心してしまったようだな」
「ぐっ……」
騎士団長が悔しげに歯噛みする。
彼は近衛騎士団の団長だ。
バルドゥール王国には他にも『王国軍』『魔導師団』『警備部隊』などが存在しているため、近衛騎士団の団長である彼がこの国のナンバーワンというわけではない。
だが、そうは言っても彼がこの国でトップ10に入る最強クラスであることは間違いないだろう。
ぽっと出の俺に負けてしまっては、ウルゴ陛下の評価が下がってしまう。
それも仕方のないことではあるが――
「恐れながら陛下に申し上げたいことがございます」
俺は手を挙げた。
「なんだ? 申してみろ」
「はい。今回の一件についてですが――」
俺はウルゴ陛下に説明を始める。
騎士団長がいかに強敵だったのか。
それを打ち破るためにどれほど苦労したのかを。
「――と、いうわけです」
「なるほど……。傍らで見ている余には圧倒的な勝利に見えたが、当事者のそなたにとっては苦難に満ちた勝負であったということだな」
「その通りです」




