700話 どちらが相応しいか
「――して、エウロス卿よ」
「はっ!」
「騎士団長はまだ納得していないようだが、どうしようか? そなたが望むなら、余が命じてやってもよいが……」
ウルゴ陛下は、バルドゥール王国の国王だ。
決して名ばかりではなく、実際に強い影響力を持っている。
それでもマデリン侯爵や騎士団長が口を挟んできたのは、陛下が多少の進言程度では気分を害さないと踏んでのことだろう。
だが、それは議論の余地がある場合に限られる。
陛下が強い意思を持って意見を主張すれば、彼らは従わざるを得ない。
「陛下のお言葉は大変光栄なのですが、今回は遠慮しておきましょう」
「ほう……? ならば、どうするつもりだ?」
「簡単なことです。彼は騎士団長。そして俺は、冒険者としての武功を認められて爵位を授かりました。つまり――」
「……」
ウルゴ陛下が無言で続きを促す。
だが、俺の考えを察しているのか、その顔はどこか面白がっているように見える。
「剣で勝負をつけます。この俺、コウタ・エウロス男爵と騎士団長……。どちらがナディアに相応しいか、白黒つけてやりますよ」
「なっ!? 私と剣で勝負だと!?」
「そうだ。決闘だよ」
「正気か? エウロス卿」
「もちろん。俺はいつだって本気さ。――どうです? 陛下」
「ふむ……よかろう。国王として、2人の決闘を認める」
ウルゴ陛下が鷹揚に告げる。
よしよし……。
こうなった以上、もう後戻りはできないぞ、騎士団長。
「騎士団長たる私に剣で挑むとは……。エウロス卿の蛮勇ぶりは理解した。いいだろう、相手をしてやる!」
「よっしゃ! そうこなくちゃな!」
俺はガッツポーズをする。
こうして、俺は騎士団長と決闘をすることになったのであった。




