671話 マナー指導
アスター騎士爵邸への到着前後でゴタゴタはあったものの、その後の流れはスムーズに進んだ。
俺はアスター騎士爵から貴族としての心得やマナーを学んでいく。
「なるほどな。貴族というのは面倒なものなのだ」
「そうですね。特に私のように爵位の低い者は気苦労が多いです」
「しかし、なかなか興味深くもある。こうして実際にマナーを学び、身につけてみると、これまで以上に貴族社会というものがよく分かる気がする」
「ふふ……。それは良かったです。貴族として生きるためには、やはり最低限の礼儀作法は必須ですから」
「うむ」
俺はアスター騎士爵と会話を交わしつつ、彼の教えに従って礼法を学ぶ。
彼の教育方針は、かなり理に適っているように思えた。
俺はと言えば、MSCの知識や経験を重視した我流だ。
この世界の一般的な貴族のやり方など知らず、独自の流儀で動いていることが多い。
そんな俺にとって、彼は良い教師役となり得るだろう。
「ふぅ……。これで今日の授業は終わりです。お疲れさまでした」
「ああ、ありがとう。アスター卿」
「いえいえ。エウロス卿のためになるのであれば、この程度のことは何でもありませんよ」
「そう言ってもらえるとありがたい」
俺はアスター騎士爵に礼を言う。
そして、彼に質問することにした。
「ところで、一つ聞いておきたいことがあるのだが……」
「何でしょうか?」
「この『マナーの指導』についてだ。今日やったようなことを今後も続けるのか?」




