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665話 謝罪

「ありがとうございます。では……」


 アスター騎士爵がメイド少女に近づく。

 俺の責めを受けて疲れ切っているメイド少女は、それをただ眺めているだけだ。

 これでは、暗黙の了解をしたと見なされても仕方ないだろう。


「ふふ……。実は以前から、素材は悪くないと思っていたのです。場合によっては自分の子どもでもおかしくない年頃の娘を相手にするのは少々気が引けますが……。これも妻のため……。悪く思わないでくださいね?」


 アスター騎士爵はそう言って、メイド少女に手を伸ばす。

 そのときだった。


「――むっ!? ひ、ひいぃっ!!」


 突如として、アスター騎士爵が怯えた声を上げた。

 彼がメイド少女への手を引っ込め、こちらを向く。

 俺は彼に話し掛ける。


「どうした?」


「そ、それはこちらのセリフです! エウロス卿!! どういうおつもりですか!?」


「何の話だ?」


「わ、私が何か粗相をしたでしょうか? でしたら、誠心誠意謝りますので、どうか命だけは……!!」


 アスター騎士爵は顔面蒼白で震えながら、俺に向かって頭を下げる。

 何が何だか分からない。


「だから、いったい何の話だ? 俺に謝罪など不要だが?」


「ご、ご自覚がないのですか? その……私に向けた殺気についてですが……」

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