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657話 アスター騎士爵の愚痴

「……そうか」


 それはまた、なかなかにエグい話である。

 つまり、人の手が入っていない大自然に魔物がウヨウヨいるような場所が、この国には存在するわけだ。


「そんな場所の開発は大変そうだな」


 まぁ、エウロス男爵としてエルカ西部の広大な地域を開発する予定があるので、決して他人事ではないのだが……。

 俺の場合は、俺自身のチートに加え、『悠久の風』の面々のサポートもある。

 アスター騎士爵の苦労よりはマシだろう。


「ええ、実際その通りでして……。あそこの開発には苦労しました。いや、今も苦労しています。騎士爵を賜ったとはいえ、私はまだまだ新米領主でしてね。領内の財政は火の車ですよ」


「おいおい、大丈夫なのか?」


「ははっ……。何とかするしかありません。今は諸用で王都に滞在していますが、普段は私も戦力や労働力として領地の開発に関わっていますのでね」


「それはご愁傷様としか言いようがないな……」


 俺は苦笑しつつ言った。


「まったくですよ! これほど厄介な領地は誰も手出しをしたがらなかったそうで……。貧乏くじを引かされたようなものです。私への騎士爵授与が決まる前は、王家の直轄地とする案や近隣の男爵家が開発する案もあったそうなのですが……」


 アスター騎士爵はそう言って嘆息した。

 平民から見れば貴族は雲の上の存在だが、彼らにとっても貴族社会というのは大変なようだ。


「まぁ、気を落とすなよ。お前は立派に役目を果たしていると思うぞ」


「そうでしょうか……」


「今さら愚痴をこぼしても仕方ないだろう。任された領地を放棄するわけにもいくまい?」


「そ、それはもちろんでございます。放棄でもすれば、一族郎党が処刑されるでしょう……。関係が冷え切っているとはいえ、妻もいますし、息子もいます。見捨てるわけにはいきません」

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