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653話 アスター騎士爵の事情

「いいぞ! 腰の振り方が上手くなってきた!!」


「左様ですか!? はははっ! この歳になってまさかこのようなご指導を受けることになるとは……」


 俺の指導を受け、アスター騎士爵がそう答える。

 俺たちを乗せた馬車は、すでに目的地であるアスター騎士爵邸に到着している。

 だが、ちょうど講義がいいところだったので、停車した馬車の中で引き続き講義を行っているのだ。

 順調にいけば、残り数分ぐらいで終わるだろう。


「しかし、残念ですなぁ……」


「何が残念なんだ?」


「エウロス卿に伝授していただいたこの技巧ですが……。もう少し若い頃にエウロス卿にお会いできていれば、妻との仲ももっと良好に保てたかもしれないと思いましてな」


 アスター騎士爵が力なく笑った。

 今の彼は40代で、末端貴族家の当主だ。

 一方の妻は、隣接する男爵領の三女と聞いている。


「おいおい、さっきの話と違うじゃないか。お前と妻の仲は良好だと言っていたはずだが?」


「ははは……。エウロス卿は既に見抜かれておられるでしょう? あれは建前ですよ……。実際のところ、私と妻の仲は冷え切っています」


「ほう? なぜだ?」


「妻は……私のことを愛していないのです」


「それはまた……。なぜ分かる?」


「はは……。分かりますよ。彼女は男爵家の三女として、相応しい相手との結婚を望んでいました。ところが、平民だった私が下手に功績を上げて領地を賜ったため、政略結婚の駒として私の元に嫁ぐことになったのですから」


 アスター騎士爵は、世襲ではなくて本人の功績で爵位を得たようだ。

 その点では俺と同じか。

 まぁ、俺はいきなり男爵なので、少しばかりレベルは違うけどな。


「微妙なところだな……。男爵家の三女であれば、騎士爵家当主の嫁になってもおかしくはないと思うのだが……」

俺の感覚だとそうだ。


 ただ、貴族の階級制度については、俺はあまり詳しくないのでなんとも言い切れないが……。

 俺の言葉を聞いたアスター騎士爵は、自嘲気味に笑って言った。

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