650話 家族同然
「ん? 間違いも何も、俺が彼女たちと交わるのはいつものことだが」
「は……?」
「ん?」
俺の言葉に、アスター騎士爵が固まった。
何やら、おかしなことを言ってしまったらしい。
「どうかしたのか?」
「あ、いえ……その……」
「言いたいことがあるなら言ってみろ」
「エウロス卿は、あの女性たちの一部に手を出されているのですね? なるほど、それならば交わることは間違いでも何でもありませんな」
「ああ」
「しかし、他の者たちの前で交わるのは少々マズイのでは? 特に、未婚の女性であればなおさらですよ。他人同士の交わりなど、嫌悪感を抱く方も多いでしょうし」
「他人だって? 俺たち『悠久の風』は家族同然の仲間だぞ?」
何を言っているんだ、こいつは。
「家族同然ならば、なおさら気まずいのでは……」
「問題ないさ。順番に可愛がってやっているからな。全員平等に愛してやれる自信はあるぜ」
「なっ!? ま、まさか……全員に手を出しているというのですか!?」
アスター騎士爵が声を上げた。
おい、急に大きな声を出すなよ。
馬がびっくりするじゃないか。
「当たり前だろう? 彼女たちは俺の女だ。俺の所有物だ。手を出したくなるのは、男として自然なことだろ?」
「な、なるほど……! パーティメンバーと聞いて、単なる仕事仲間だと思い込んだ私の勘違いでした。まさか、全員がエウロス卿の恋人だったとは……」




