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636話 交渉

「俺も鬼じゃない。二人きりの宿屋で、手取り足取り商売のイロハを教えてもらうだけでいいんだ。それ以上のことは求めないから安心してくれ。やましいことは一切しない。神に誓おう」


「うぅ……」


 タニアは悩んでいるようだった。

 やはり、彼女は押しに弱いタイプらしい。

 もう一押しといったところか。


「頼むよ、タニアちゃん。エウロス男爵家の未来は君にかかっているんだ」


 俺はそう言って頭を下げた。

 金で貸しを作るのもいい。

 脅すのもいい。

 だが、最後はこうして誠意を示すことが大切だ。


(さぁ、どうだ……?)


 しばらく待つと、彼女がおずおずと口を開いた。


「……わ、分かりました。本当に、それだけで済むのですよね?」


「もちろんさ」


「そ、それなら……。でも、私なんかでお役に立てるのかは分かりませんが……」


「いやいや、そんなことはないさ! よろしく頼むよ!」


「は、はい……」


 頷くタニア。

 よしよし、上手くいったな。

 これでクリアしたようなものだ。


「さて、次の予定が決まったことだし、残っている料理を食べてしまおうじゃないか」


 俺の言葉に頷くタニア。

 彼女は2枚目のSSSSSランクのステーキを食べつつ、高級酒を口にしていた。

 かなり酔いが回ってきたらしく、頬は赤く染まっているし目もトロンとしているように見える。

 そんな状態でもなお料理を平らげようとするあたり、彼女の食い意地はかなりのもののようだ。


「その酒は美味いかい? いや、美味くないはずがないか。どこぞの名水を使って造られているんだからな」


 俺がそう言うと、彼女はコクリと頷いたあとに言った。


「とっても美味しいです……! こんなに良いお酒は初めて飲みました……!」


 うっとりとした表情でグラスを見つめる彼女。

 どうやら相当気に入ったようだ。

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