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621話 チンピラの絶叫

 ユヅキたちがチンピラに絡まれている。

 彼らは小柄なミナを人質に取ったのだが、彼女の剛腕により返り討ちに遭っていた。


「あぎゃぁぁあ!! やめてくだしゃぁぁぁあいいぃぃぃ!!」


 悲痛な叫び声を上げるリーダーの男。

 そんな彼の右腕は、現在あり得ない方向に曲がりつつあった。

 ミナは容赦なく力を込めていく。

 ボキリッという音と共に、男の腕があらぬ方向へと曲がる。

 その瞬間、凄まじい痛みが彼を襲った。


「ひぎいぃいっ!? あああぁぁぁああ!!!」


 リーダーの男が絶叫を上げる中、仲間の男たちは顔面蒼白となっていた。

 自分たちが人質にしていた少女が、まさかここまでの力を秘めているとは思わなかったのだ。

 たかが小娘一人に自分たちのナンパが阻止されるなど、想像すらしていなかったに違いない。


「り、リーダーの腕を離せ! 離してくれ!!」


「わ、悪かったって! 謝るから許してくれ!」


 必死に懇願する男たち。

 そんな彼に向かって、ミナは言った。


「今さら謝って済む問題じゃないと思うのですよ!」


「ひぃっ!?」


「ま、待ってくれ! お、俺たちはただ……可愛い女の子たちと遊びたかっただけなんだよぉ!」


 涙声で訴えるチンピラたち。

 その情けない姿を見て、ミナは呆れたように溜め息を吐いた。


「はぁ……。もういいのです」


 そう言うと、彼女はパッと手を離す。

 支えを失った男は地面に倒れ込み、激痛のあまりゴロゴロと転がった。

 しかし、そんなことはお構いなしとばかりに、ミナはユヅキたちの方へと向かう。


「災難だったね、ミナ」


 ユヅキが苦笑しながら言う。

 そんな彼の言葉を受け、ミナは頬を膨らませて答えた。


「本当なのですよ。ボクは立派なレディなのですけど、あいつらはボクを子ども扱いしたのです……」


 そう言って落ち込むミナの頭を、隣に座るリンが優しく撫でる。

 それを見たネリスもまた、彼女に続いて頭を撫で始めた。


「えへへ……」


 二人に撫でられると安心感があるのか、ミナはすぐに機嫌を取り戻したようだ。

 彼女たちの間に弛緩した空気が流れる。

 そんな中、再びチンピラのリーダーが叫んだ。


「う、うぅ……くそぉ……! なんで俺がこんな目に合わなきゃいけねぇんだ……!」


(うわぁ……まだ懲りてないの?)


 さすがに呆れるしかないユヅキである。

 そもそも最初に人質を取って『殺す』と脅してきたのは彼らの方だ。

 本心での目的がナンパだったとしても、過剰な威圧行為を行った責任は彼らにある。

 にもかかわらず被害者面とは、一体どういう了見なのだろうか。

 ユヅキがそんなことを思っていると、チンピラたちが口を開いた。

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