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614話 チンピラの災難

「ちょっと、かわいしょうかも……」


「そうですわね。わたくしたちは上に立つ者ですから……下々の気持ちを考えなければなりませんわ」


 ヒナタの言葉に頷くローズ。

 荒事に慣れていないヒナタは若干引いている。

 かつて自分を苦しめた『毒蛇団』やその残党にこそ容赦しなかった彼女だが、一般人に対してはそうでもないようだ。

 そしてローズも似たような心境なのか、フォローするようにそんなことを言っていた。


「おじしゃんたち、足が冷たしょうだね……」


 ヒナタが心配そうに言う。

 確かに、彼らの足はシルヴィの魔法で凍りついているので、とても寒そうだ。


「だれがおじさんじゃい!」


「舐めやがって……! お前の仲間のせいだろうが!!」


「こりゃ、暴行事件だろ! 衛兵を呼んでやる!!」


 チンピラたちが息巻く。

 シルヴィやグレイスの実力にビビっていた彼らだったが、この中で最年少のヒナタに対しては少し強気のようだ。

 いや、それでも武力でやり返すのではなく、『衛兵を呼んでやる』という被害者ポジションを取るあたり小物感があるとも言えるだろうか。

 とはいえ、実際に彼らに出来ることは少ないのだが――


「わかったよっ! じゃあ、ぼくがおじしゃんたちの氷をとかしてあげるねっ!」


「は? お前みたいなチビに――」


「狐火――【鳳仙火】!!」


 瞬間、凄まじい炎がチンピラに襲いかかった。

 その発生源はもちろんヒナタだ。

 彼女が発した魔力により発生した炎が、まるで意思を持ったかのように動き回る。

 そして、チンピラたちを包み込んだのだ。


「「「ぎゃああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」」」


 断末魔のような悲鳴が上がる。

 その熱量は凄まじく、男たちは一瞬で大やけどを負ってしまった。


「あ、熱いっ!! 助けてくれぇええぇぇっ!!!」


「ひぃぃいっ!! お、俺の腕がぁあぁっ!!! もうダメだぁぁあっ!!!」


「うぎゃああああぁっ!! 誰か助けてぇぇぇっ!!」


 男たちは地面を転がりながら絶叫する。

 そんな彼らを見て、ヒナタが慌てて謝罪した。


「ご、ごめんなさいっ! ぼく、手加減するのわしゅれてた……!」


 そう言ってペコリと頭を下げるヒナタ。

 だが、そんな謝罪で許されるような状況ではなかった。

 チンピラの足を覆っていた氷を溶かすどころか過剰な火力によって大やけどを負わせてしまったのだから、当然である。


「痛いっ!! ああああぁっ!?」


「死ぬぅっ!? このままじゃ死んじまうっ!?」


「い、いやだぁっ!! 死にたくないぃいぃっ!!」


 泣き喚き、転げ回る男たち。

 ローズはそれを見て、すかさずフォローに入ることにしたのだった。




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いつもお読みいただき、ありがとうございます。


拙作「無職だけど~」のウェブトゥーン版ですが、先行配信されていた「ホンコミ」「honto」に加え、「コミックシーモア」「kinoppy」「DMM.com/FANZA」「Amebaマンガ」「BOOKWALKER」でも配信が開始されました。

まだお読みいただけていない方は、この機会にぜひよろしくお願いいたします!

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