表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
606/1431

606話 序列9位

「そ、そういうわけじゃ……」


「じゃあどういうわけよ?」


「……」


 言葉に詰まるセリア。

 どう説明したらいいのか、分からなかったからだ。


「ぶっちゃけてちょうだい。セリアちゃん、ライバルたちの中で序列は何番ぐらいなの?」


「ええっと……。1、2、3……」


 セリアが右手の指を折り始める。

 当初、タニアはそれを憐れみの視線で見ていたが――


「4、5、6……」


「――え!?」


 右手の指を全て折り、左手の指が折られ始めた瞬間、ギョッと目を見開いた。

 これまでの話からずいぶんと遊び人の恋人なのだろうとは思っていたが、まさかそれほど多くの女を侍らせているとは思っていなかったからだ。

 それも、セリアがかなり下位の序列に位置されているなんて、信じがたかった。


(嘘でしょ? 私ほどではないとはいえ、そこそこ可愛くてそこそこ優秀なセリアちゃんが……?)


 信じられないという思いと同時に、『可哀想に……』という同情の念が込み上げてくる。

 冒険者ギルド受付嬢というのは、見目麗しい者が優先的に採用される。

 その中でもキャリア採用組は、実務能力や戦闘能力の高さを考慮して選ばれるのだ。

 外見も能力も一定以上に優れているセリア。

 いったいどんな男が彼女に手を出したのかと思ってしまう。


(……あれ?)


 そこまで考えたところで、ふと疑問を感じた。

 いくらなんでも、これほどまでにセリアが虐げられるものだろうかと思ったのだ。

 彼女の性格ならば、もっとうまく立ち回れるはずだ。


(もしかして、騙されているのかしら?)


 その可能性に思い至り、タニアの表情が険しくなる。

 そうこうしている内に、セリアの序列カウントが終わりを告げた。


「――9。私は序列9番目にゃ!」


 どこか誇らしい表情で告げるセリア。

 奴隷ではあるが最古参のシルヴィ。

 元々冒険者であり、2番目に古参のユヅキ。

 一流鍛冶師でパワフルなミナ。

 一流料理人で俊足のリン。

 エルフの里の有力氏族の生まれであるティータ。

 アイゼンシュタイン子爵家の令嬢であるローズ。

 アンダーグラウンドな知識に詳しいグレイス。

 一流調合師のエメラダ。


 セリアの認識では、これらの8人に次いで自分は序列9位だった。

 その後に、セリアよりも後に加入したミルキーやルンが続く。

 彼女としては、特に不満のない順位だ。

 むしろ十分に可愛がってもらっている方だと満足感すら覚える。


(え、えぇぇぇー……)


 そんなセリアの様子を見て、タニアは呆気にとられた表情になっていたのだった。




-----------------------------



スマホアプリ「ホンコミ」にて、「無職だけど~」コミカライズ版の11話が更新されています。

原作小説における20~22話に相当します。

お楽しみいただければ幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ