600話 面談終了
「では、そろそろ本題に入ろうか」
「はっ!」
俺の言葉に反応して、全員姿勢を正す。
さすがに切り替えが早いものだ。
「まずは状況を説明しろ」
「かしこまりました。――結論から申し上げますと、今回の一件はウルゴ陛下による勅命でした」
それはさっきも聞いた。
あの国王め……。
俺はギルマスから事情を聞いていく。
「――つまり、こういうことか? この短期間で『毒蛇団』を討伐したことの確証を得るため、わざわざギルマスに俺を襲わせたと?」
「その通りです」
ギルマスが頷く。
まぁ、そういう事情があったのであればいい。
いや、良くはないが……。
ウルゴ陛下から言われたんじゃ、ギルマスを責めるのも酷というものだろう。
「しかし、俺は信用がないようだな」
「いえ、そういうわけではございません。単純に今回の功績を認め、暫定であったAランクを認めるのみであれば、冒険者ギルドの判断だけで事足ります」
それはそうだろうな。
Aランク冒険者と言えば超一流だ。
ただし、あくまでも冒険者ギルドという組織内での序列にとどまる。
まぁ、Aランクにもなれば国家からの使命依頼を受けることがあるので、完全に無関係というわけではないのだが……。
それでも、一国の王たる人物が直々に判断を下すほどのものではないと思う。
「ならば、なぜこれほど回りくどいことを?」
「あなたは、Aランク冒険者に暫定で昇格すると同時に、男爵位を与えられました」
「おう。あれは仮ではなくて、正式な叙爵だったな。ウルゴ陛下がわざわざエルカの町までやって来てくれて……」
「はい。冒険者ランクの認定とは異なり、貴族位の授与は陛下が行うものなのです。ですから、その際にはウルゴ陛下が直々に赴かれたのです」
「……それで? それはエルカの町で男爵位を授かったときの話だろう? 今回の『試験』とやらに、何か関係があるのか?」
「今回の試験結果は、これからウルゴ陛下にお伝えいたします。そして、然るべき対応がなされます。エウロス男爵がウルゴ陛下に謁見される際には、また新しい話が出てくるかもしれません」
「ふむ? イマイチ良く分からないのだが……」
「現時点で私が言えるのはここまででございます。ただ、悪いようにはなりませんのでご安心ください」
なんだか歯切れの悪い答えだな。
まぁいいか。
どうせ、いずれ分かることなのだろうし。
「了解した。では、そろそろ帰ることにするよ」
こうして、俺とギルマスの面談は無事に終了した。
受付のところに置いてきたシルヴィやセリアたちと合流することにしよう。
……まさか、何かしらの騒ぎを起こしたりはしていないよな?
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連載開始日:2023年3月10日(金曜日)
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