545話 村長の出迎え
見張り台の男が、俺たち『悠久の風』を村の中に招き入れる。
全員を乗せた馬車が門を通ると、門は再び閉じられた。
これで、魔物や盗賊から奇襲されるリスクは小さくなった。
小村とはいえ、人里に入ったことで一安心という気持ちはある。
「さて、とりあえず宿屋にでも行くか」
「いや、少し待ってくれ。村長を呼んでいるところだ」
村の奥に向かおうとした俺たちを、見張り台の男が制止する。
村の入口付近で待機させられた格好だ。
ほどなくして、老齢の男性がこちらにやって来た。
「こ、これはこれは……。私がこの村の村長でございます」
「おう。丁寧な挨拶、ありがとな。俺はコウタだ」
俺は自己紹介を返す。
だが、村長はやや戸惑った様子を見せている。
「それで……あなた方は名のある御一行とお見受けしますが、どのような御用向きで当村に?」
「ああ。俺たちは、王都に向かっている途中でね。今夜泊まるところを探しているんだ。夜営でもいいんだが、村の中に泊まった方が安全度は高いからな」
俺たち『悠久の風』の夜営能力は高い。
エルカ迷宮に長期間潜った経験もある。
とはいえ、人里に入れるならそれに越したことはない。
「な、なんと!? 王都へ!?」
「そんなに驚くことか?」
「それはもう……。ここは王都からかなりの距離がありますぞ。確かに、この山脈さえ超えることができれば、他の町を経由するよりも早いでしょうが……。大きなリスクを伴います」




